戦国の世も妻は強し!戦国時代、泥酔した夫に代わり甲冑姿で城を守り抜いた妻の武勇伝 (3/4ページ)
「おのれ諏訪部、此度こそは……!」
これまでにない猛攻撃が押し寄せる中、それでも定勝は目を覚ましません。
「御台所様、早くご下知を!」
「あなた、あなた……!」
もうこうなっては仕方ありません。まだムニャムニャ言っている定勝をほっ転がして、妻はいつも通りの甲冑姿で陣頭に立ったのでした。
「御台所様、あちらの守りが破られてございます……!」
「分かりました!うぉりゃあ……っ!」
遠山氏は薙刀を手にとって戦線へ急行、男勝りの大立ち回りを演じて、どうにか武田勢の撃退に成功したそうです。
鬼より怖い妻の笑顔「んあ?……何があったんじゃ?」
ようやく酔いから醒めた定勝は、目の前の光景に呆然。城内のあちこちで残り火が燻(くすぶ)り、敵味方の死体が転がっているではありませんか。
「……あなた」
「ひい……っ!」
恐る恐る振り返ると、そこには武田の赤鬼よりも猛々しい妻の姿。全身に返り血を浴びて、手に持った薙刀の刃から、未だ乾かぬ血が滴り落ちています。
「……敵方は……ことごとく追い払(はろ)うておきましてよ?」
いつもと変わらぬ優しく美しい妻の微笑みが、今は何より恐ろしい。