警察庁長官を襲った白昼堂々の狙撃事件、10日前に発生した地下鉄サリン事件との関連とは【未解決事件ファイル】 (1/2ページ)
1995年3月30日、國松孝次警察庁長官(当時)が東京都荒川区にある自宅マンション前で何者かに狙撃されるという事件が発生した。10日前にはオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生したばかりだった。警察は特別捜査本部を設置したほか、高額な懸賞金をかけて犯人の手掛かりを追ったが、結局2020年2月現在も未解決のままである。
國松長官が狙撃されたのは朝の午前8時30分過ぎ。自宅マンションから出勤する國松長官を待ち構えていた男による犯行だった。犯人は國松長官がマンション通用口から出てきたところを、背後から拳銃で4発発砲した。周囲には16人の目撃者がおり、すぐに警察と救急車へと通報が入る。現場に救急車が駆け付けた時には、國松長官は瀕死の状態だったそうだ。その後、医師による懸命の治療により國松長官は一命を取り留めた。
しかし、事件はこれだけで終わらない。國松長官が狙撃されてから1時間後、テレビ朝日に犯人と思われる男から電話が入る。内容は次の犯行予告だった。犯人は警視総監、内閣情報調査室長ら高官の名前を次々と上げていき、最後には「オウム真理教団への捜査を中止しろ」と要求して電話を切った。後に、電話をかけたオウム真理教幹部の男が逮捕されるが、証拠不十分により釈放されている。
警視庁は南千住署に捜査本部を設置し、大規模な捜査活動を開始した。白昼の犯行ということもあり、目撃証言はすぐに集まったという。目撃者によると、犯人は國松長官を狙撃した後、近くに停めてあった黒の自転車に乗って逃走。年齢は30代から40代前後、身長は170㎝から180㎝程度だったそうだ。さらに、現場付近から自転車で逃走する犯人らしき男の姿も多数確認されていた。犯人逮捕も時間の問題かのように思われたが、それ以降の足取りを掴むことは出来なかった。また、現場には韓国の硬貨と北朝鮮のバッジが残されていたが、犯人との関連は確認されていない。
当時、オウム真理教関連の犯罪が相次いでいた事や、テレビ朝日への犯行予告の件もあり、世間の間では長官狙撃事件に関してもオウム真理教の犯行を疑う見方が強かった。そして、事件発生の翌年1996年、思いもよらぬ人物が犯行を認める。当時、警視庁に勤めていた巡査長が犯行を自白したのだ。彼はオウム真理教の信者だったという。