織田信長の妹「お市の方」は人知れず情報を集める信長直下の女スパイだった説 (2/2ページ)
小豆は袋の中の信長を暗示し、袋の両端を結ぶことで、挟み撃ち作戦を表したのです。
信長はすぐにお市の方の意を察して京都に逃げ込みました。人に知られず情報を集め、的確に意図だけを伝えるーまるでスパイの動きそのものです。
お市の方のこの機転がなければ、ひょっとしたら織田家はここで滅ぼされていたかもしれません。長政との円満な夫婦生活という周囲からの評判も、もしかしたらスパイとして送り込まれた自分の素性を隠すためのカモフラージュだったのかもしれません。
最終的に、小谷城は落城し、浅井長政は信長に敗れますが、お市の方と三人の娘は城から脱出します。
その後、信長死後、柴田勝家と再婚しますが、勝家が秀吉と対立して賤ヶ岳の戦いで敗れたため、夫と共に越前北ノ庄城内で自害したのでした。戦国の世に奔走された一人の女性でした。
参考
近衛 龍春『浅井長政とお市の方』 (2011 PHP文庫) 鈴木 輝一郎 『お市の方 戦国の凰 』(2011 講談社文庫)日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan