悪魔なの?天使なの?織田信長の家臣が記した貴重史料「信長公記」から信長の性格に迫る (2/3ページ)
血の滴る生首がぼん、と置かれたものではないものの、現在の日本では想像のつかない世界ではありますね。
命を狙った者を生きたまま首を切る杉谷善住坊という鉄砲の名手が、六角義賢という武将に命じられ、千草峠という場所で信長の命を狙いました。しかし玉は体をかすめただけ。失敗し隠れ住んでいた杉谷を捜し当てた後、奉行所で尋問します。尋問したのは別の人間ですが、信長の希望どおり処刑することになります。
信長の憤懣やるかたなかったのか、その処刑の仕方がむごく、穴を掘って立たせて肩まで土をかけて埋めたあと、生きたまま首を鋸で切ったといいます。
火には火を?火事をおこした部下の家を焼き払う安土城下でのこと。福田与一というお弓衆の家が火事になり、信長は激怒します。火事になったのは妻子を本国に置いて安土に移させていないからだといって、部下を調べさせて、妻子を連れてきていない者を一斉に叱責。
要するに単身赴任状態で家を守る人がいないから、火事になるのだとう理屈ですね。そのときの処分が重く、該当者の本国の私宅を焼き払い庭木も伐採させて、彼らの妻子を一文無し状態で否応なく安土にこさせたということです。火事とは関係ない者まで生まれの家を失ってしまったわけですから、とんだとばっちりですね。
しかし信長の危機管理意識の高さを感じます。緊張感を持って生活(仕事)しろということだと思われます。
市井の者の罪も容赦せん山崎の町人が、明智光秀と村井貞勝が判決をくだした訴訟に不服を申し立て、信長に直訴しました。しかしそれが偽りの文書だったため、信長は処刑を命じます。
また、無辺という旅僧も処刑しています。この僧は霊験あらかたと評判で、信長は興味を示し無辺を安土に呼び寄せます。そこで無辺をいかがわしいと疑った信長。彼と問答をしてやりこめ、出身地と身分を確かめた後、霊力をみせるという嘘を暴きます。
一度は裸にして縛ったまま町に放免しましたが、女子どもを騙していると聞き及び再度つかまえ、「国の宝を無駄遣いさせるとは不届き千万」と処刑してしまいました。