「暑さ寒さも彼岸まで」と言うけど、そもそも“彼岸“てどういう意味か知っていますか? (2/3ページ)

Japaaan

で、その彼岸がどうして春分の日(令和二2020年は3月20日)と秋分の日(同年9月22日)に当たるのかと言いますと、昼と夜の長さがまったく同じとなるこれらの日は、太陽が真東から昇って真西に沈むことから「極楽浄土(西のかなたにある西方浄土)への最短ルートが開通する」と考えられたためです。

つまり、このタイミングでご先祖様を供養することが、悟りの境地=極楽浄土へ至るために最も好コスパということですね。

しかし、このお彼岸供養の行事は、仏教の本場であるインド、中継地である中国では行われていないことから、民俗学者の五来重(ごらい しげる)氏が

古来、日本人は太陽を至高の存在として信仰してきた。

「日本古来の太陽信仰に基づく祈願(日願い)が仏教用語の彼岸と結びついて日願(ひがん)となり、悟りの境地へ至れるよう祖先を供養する儀式が、太陽と密接な関係にある春分・秋分に行われるようになったのではないか」という旨を指摘しています。

つまり、大陸から渡来した仏教の思想と、日本古来の信仰精神が融合したお彼岸は、太陽に感謝し、祖先の霊を供養することで、共に最短距離で極楽浄土へ近づける、日本ならではのチャンスと言えるでしょう。

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