医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<EDと生活習慣病>「『朝勃ちなし』の裏に潜む糖尿病と高血圧」

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医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<EDと生活習慣病>「『朝勃ちなし』の裏に潜む糖尿病と高血圧」

「最近、勃たない」「勃つ力が弱まった」など「ED」で悩む中高年は潜在的に多いとされている。その原因にストレスや疲れ、加齢と考えてあきらめずに、生活習慣病の可能性もあるので注意が必要だ。

 というのもEDは動脈硬化や神経系の障害などで発症する。特に糖尿病で高血糖状態が続くと、性的刺激が陰茎にスムーズに伝わらなくなったり、血液の流れが悪くなったりして、EDになる。ちなみに、糖尿病が進行しているほどEDも重度になりやすいと考えられている。

 また、高血圧も糖尿病に次いでEDになるリスクが高く、合併率は約7割と言われるほどで重症化しやすい。高血圧によって、陰茎海綿体の動脈の広がりが妨げられ、血液が十分に流れ込まなくなるためだ。服用している薬の影響も考えられる。

 また、肥満もEDにつながる要因となる。過食や運動不足が原因のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になると、体の細胞を損傷させる活性酸素が多く発生し、血管が障害を受けてしまうことでEDになる。

 特にBMI値が30kg/m2以上の場合、23kg/m2未満の人の約1.7倍のリスクがあると言われている。

 EDに悩む人が受診すべきは、まず泌尿器科だ。重要な目安となるのは「朝勃ち」の有無。実は睡眠時にも男性は陰茎に酸素を供給するので勃起を繰り返しているのが健康な状態。ところが血管が詰まり、血液の流れが悪くなると、睡眠時の勃起が起こらなくなり、朝勃ちもなくなってくる。そのため生活習慣病が疑われてくるのだ。

 EDのセルフチェックは一般的に「IIEF(国際勃起機能スコア)」が使われている。気になる人はネットなどでチェックしてみるのもおすすめだ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

「医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<EDと生活習慣病>「『朝勃ちなし』の裏に潜む糖尿病と高血圧」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2020年 3/19号田幸和歌子診察室のツボED糖尿病社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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