生の魚に潜む寄生虫「アニサキス」が激増中。過去50年間で約280倍に(米研究) (4/6ページ)

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たとえば魚やアシカなどに寄生する「シュードテラノーバ(Pseudoterranova)」では、アニサキスのような変化が確認されていない。

 アシカなどの個体数が増えている一方、クジラはそうでないことから、ウッド氏らは今回の研究結果と反対の結果になるだろうと予測していたという。

 こうしたことを踏まえると、アニサキスが増加しているのは、そのライフサイクルの中で寄生しなければならない宿主の数が少ないことや、クジラやアシカの適応度と関係があるかもしれないそうだ。

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・寄生虫の増加は自然が豊かになった証拠? それとも新たな脅威?

 困ったことに、自然本来の姿がどのようなものか分からないために、寄生虫の増加が海洋生態系が健全になった証なのか、それとも絶滅危惧種や脆弱な種にとっての新しい脅威なのか、判断できないそうだ。

 が、少なくともここ最近の歴史を調べた結果からは、我々人類が海を劇的に変化させてしまったことは分かっている。ならば、次のような疑問が浮かんでくるだろう。

 はたしてアニサキスの増加は、漁業・汚染・温暖化といった人間が引き起こした諸々の事象の影響によるものなのだろうか? それとも宿主である海生哺乳類の個体数が回復したことによるものなのだろうか?

 今のところ、これに対するはっきりとした答えはない。だが、ウッド氏の考えでは、一部の海生哺乳類がかなり健全な状況になったことで、より脆弱な状況にある生物にまで寄生虫が広がるようになったのだろうという。

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