巨人、ソフトバンク…プロ野球セ・パ12球団「開幕エース&先発ローテ」マル禁鑑定

日刊大衆

写真はイメージです
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 開幕延期が通知され、投手陣などの再整備を余儀なくされている各チーム。12球団の“悲喜こもごも”をレポート!!

 新型コロナウイルスの流行で、20日に予定されていたプロ野球の開幕が延期された。「NPBでは感染予防の専門家も招き、協議を重ねてきました。そこで出た結論は、“オープン戦のように無観客試合では経営が成り立たない。観客を入れることは絶対条件”というもの」(セ球団関係者)

 開幕が延期されるのは、2011年の東日本大震災以来(3月25日開幕が4月12日に)。各球団とも投手陣の整備をめぐり、悲喜こもごものようだ。野球解説者の里崎智也氏が言う。「発表されている開幕投手が、変更になる可能性もありますね。菅野(智之)とか則本(昂大)のような“絶対的エース”のいるチームは変更しないでしょうが、そうでないチームは変えてくる可能性もあります」

 気の毒なのは、開幕を任されるエースたち。「開幕投手に指名されると、試合まで生きた心地がしないもの。この緊張が、さらに1か月近く続くなんて地獄だよ」(球界OB)

 さらに、「延期による過密日程が、投手陣の疲弊を招く」(前同)との指摘もある。「とどのつまり、今季は例年以上に投手力、それも試合を作る先発ローテーションの整備が重要になるということだね」(同)

 早くも大荒れの予感がする今季ペナント争いだが、各チームの開幕エースと先発ローテの仕上がり具合はどうなのか? 以下、レポートしてみたい。

■ジャイアンツ菅野智之の復活は?

 まずはセ・リーグから。連覇を狙う巨人は、開幕投手の菅野の仕上がりに注目が集まる。「去年は腰痛で不本意な成績となった。体の開きが早くなり、甘く入ったところを痛打されることが多かったが、腰痛は消えたというから安心しています。オフに取り組んだ“フォーム改造”も上々」(巨人番記者)

 長嶋茂雄終身名誉監督も、エースの復活を喜んでいるという。「ミスターは“菅野が(オフに)メジャーに行くなら、15勝以上して、チームを日本一にしなければならない”と言っている。“メジャーには胸を張って行け”というエールです」(球団関係者)

 ブルージェイズに移籍した“山口俊の穴”を埋めるのが、サンチェスだ。「オープン戦では日本のボールとマウンドに戸惑って炎上しましたが、コーチ陣は“グライシンガーのようなタイプ”と、活躍に太鼓判を押しています」(前同)

 ただ、原辰徳監督には “誤算”もあるとか。「原さんは、今季の前半戦は菅野を“中5日”で投げさせて貯金を作り、後半戦は休ませる作戦を立てていました。つまり、先行逃げ切りで優勝を狙うと。その作戦が、開幕延期で難しくなるかも」(前出の番記者)

 うれしい誤算もある。「ケガで出遅れていた左のエース候補のメルセデスが、開幕に間に合う可能性が出てきました」(前同)

 悲喜こもごもなのだ。

 続いて、昨季2位のDeNAを見てみよう。「18年の新人王、東克樹が左肘の手術で今季絶望なのは痛いが、球界No.1左腕の今永昇太を筆頭に、石田健大、濱口遥大と3枚も左腕をそろえているのは有利。打線は、筒香嘉智の穴を新外国人のオースティンが埋めてくれそう。DeNAは手ごわいですよ」(スポーツ紙デスク)

 巨人の原監督も、DeNAを警戒しているという。「東が戦線離脱したのを喜んでいましたからね。パットン、エスコバーとリリーフ陣も一流、日本代表の守護神、山﨑康晃も健在。原さんが警戒するのも納得です」(前同)

■阪神タイガースは藤浪晋太郎が不可欠

 昨季、CSに進出した阪神はどうか。「エースの西勇輝は堅調。首脳陣の期待は、低目を攻める投球で昨季9勝を挙げた青柳晃洋に集まっています。中日から移籍したガルシア、制球力がある新助っ人のガンケルが、メッセンジャーの穴を埋められるかも注目です」(虎番記者)

 ただ、阪神がV戦線に絡むためには、藤浪晋太郎の復活が不可欠だという。「イップスが収まってきて、オープン戦では好投も見せた。球の“すっぽ抜け”も激減しましたね。ただ、無観客試合だったのが気になる。大観衆を前に同じように投げられるか」(前同)

 広島のエース、大瀬良大地は、「カットボールのキレが戻った」(球団関係者)とする一方、「速球に往時の勢いなし」(前同)と吉凶入り乱れる。注目は“球界のご意見番”張本勲氏が新人王候補に挙げる森下暢仁だ。「大学No.1投手として、明大からドライチで獲得した選手。大きく落ちるカーブは一級品。2ケタ勝利もありうる」(広島番記者)

 中日の開幕エースは、プレミア12で日本代表にも選ばれた大野雄大。「大野は今オフにFA宣言するのが既定路線なので、高く売り込むために今季はやる気が違います。ただ、先発陣は手薄と言わざるをえない。柳裕也、小笠原慎之介、笠原祥太郎、梅津晃大と若手が多く、“星勘定”が難しいんです。好材料は、ケガで出遅れたロメロが、開幕延期で間に合う可能性が出てきたことぐらい」(中日番記者)

 若手の中から覚醒する選手が出なければ、今季も苦しいペナントになりそうだ。

 昨季は最下位に沈んだヤクルト。高津臣吾新監督のもとで復活を期すが、40歳の石川雅規に開幕投手が託されたことからも分かるように、投手力に乏しい。「昨季のチーム防御率は、12球団ワーストの4.78。ドラフトは4位まで投手を指名しましたが、ルーキーだけに実力は未知数です。ただ、ドライチの奥川恭伸は、ドラフトの目玉だった佐々木朗希よりも実力は上、と評価する球界関係者も少なくありません。奥川が、いつ出てくるかですね」(前出のデスク)

■松坂大輔は古巣に復帰

 パ・リーグに移ろう。昨季は優勝しながらCSでソフトバンクに敗れた西武は、2年目のニールが開幕を託された。このニール、昨季11連勝と暴れまくった頼もしい助っ人。ソフトバンクの王貞治会長も、「パワーで押すタイプではないが、打ちにくい球を投げるので厄介な投手」と警戒する。ただ、ニール以外の先発陣に目立った選手がいないのも事実。「西武は投手力は低いが、“山賊打線”で打ち勝てますからね」(西武番記者)

 14年ぶりに古巣に復帰した松坂大輔は、カットボールに磨きをかけ、先発ローテ入りを狙っているとか。

 3年連続日本一を達成したソフトバンクは、開幕延期の“恩恵”を最も受けたチームかもしれない。「東浜巨が開幕投手になっているのは、絶対エースの千賀滉大がケガで出遅れたためですが、開幕延期で千賀が間に合う可能性が出てきましたね」(里崎氏)

 他にも、高橋礼、高橋順平と故障者を抱えるため、開幕延期はウェルカムか。昨季は右肘手術の影響で、試合の登板にとどまった楽天のエース・則本昂大は、昨年12月に7年契約を結び、“生涯楽天”を誓った。「今季は速球の球威が戻ってきましたので、2ケタ勝利は固い。美馬学が移籍しましたが、代わりに涌井秀章を獲得。先発の頭数は足りています」(楽天番記者)

 注目は、リリーフから先発に転向した松井裕樹。「スライダーとチェンジアップは抜群のキレ味。“裏ローテ”のエースとして期待されています」(前同)

 ロッテの開幕投手は、FA移籍してきた美馬。ただし、変更される可能性が高いという。「開幕がソフトバンク戦だったんで、相性のよい美馬が選ばれたんですが、開幕延長が決まったため、変更されるかも」(里崎氏)

 キャンプで話題を独占した佐々木朗希は、「無理をさせない方針なので、先発ローテ入りは後半戦」(球団関係者)とか。

 日ハムの開幕エース・有原航平は、オフのメジャー挑戦が確定的。「その分、やる気十分。フォークのキレが戻り復調した上沢直之も、2ケタ勝利を狙えます。一昨年のドラフトの目玉だった吉田輝星、昨年のドライチの河野竜生あたりがローテ入りしてくると、Aクラスが見えてきますね」(前出のデスク)

 最後はメジャー通算282本の大物、ジョーンズを補強したオリックス。「山岡泰輔、山本由伸と、球界屈指の投手が2人いる今が優勝チャンスなので、ジョーンズを補強したんです。首脳陣はやる気ですよ」(オリ番記者)

 五輪とコロナ禍で、変則進行を強いられる今季ペナント。ファン同様、選手たちも開幕を熱望している。

※開幕延期に関する情報は、3月12日現在のものです。

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