北極圏の島で失われた古代大陸の断片が発見される(カナダ・バフィン島) (2/3ページ)

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・地球最初期の地殻を今に伝える北大西洋大陸塊 

 地質学的組成という観点から見ると、バフィン島の地下にそれが出現したということは、今からおよそ1億5000万年前に「北大西洋大陸塊」が分裂して始まった壮大な拡散現象の終わりを意味するものであるそうだ。

 北大西洋大陸塊とは、40億~25億年前の「太古代」にまでさかのぼれる「リソスフェア(地殻とマントル最上部の硬い岩盤の総称。「岩石圏」とも)」の岩石のことで、地球最初期の大陸地殻の様子をもっともよく窺い知ることができるものだ。
 
 数百万年前、分裂してバラバラになった北大西洋大陸塊は現在、スコットランド、ラブラドール、グリーンランドで露出している。だがこのほど、意外にもそれがバフィン島ホール半島でも露出していることが判明したのだ。

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・西グリーンランドで露出する北大西洋大陸塊に瓜二つ

 研究グループは、「シドリャク・キンバーライト岩石区(Chidliak Kimberlite Province)」から採取された捕獲岩サンプル120点を分析。

 その結果、シドリャク・マントルは、バルク組成と鉱物化学の2点において、西グリーンランドの北大西洋大陸塊に瓜二つである一方、隣接する他の大陸塊(ケベック北部、オンタリオ北部、ヌナブト)とはいくつも対照的な違いがあることが分かったという。
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