満開の桜の下には・・・最後の浮世絵師・月岡芳年の名作「新形三十六怪撰 小町桜の精」 (4/4ページ)
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月岡芳年
そこで関兵衛が桜を伐ろうとすると、なぜか体がしびれて気を失ってしまいます。
するとあたりが一層暗くなり、桜の黒く太い幹の中に美しい女の姿が現れます。恐ろしいほどに美しい女は、目を覚ました関兵衛に近づき、自分は都から来た遊女の墨染(すみぞめ)という者で、関兵衛にあこがれていたといい、恋人になってくれと言うのです。
さて、月岡芳年が描いた『小町桜の精』ですが、関兵衛を口説いているときの表情だと思いませんか?
墨染は、実は「小町桜の精」なのです。歳月を経た桜の精は人間の姿になって都の遊女となり、宗貞の弟安貞と相愛の仲でした。安貞の死には、大伴黒主が関係していました。
墨染は安貞の仇を討とうとして関兵衛に近づいたのです。血文字の片袖を手に詰め寄る墨染に、関兵衛は大伴黒主の正体をあらわしました。墨染も、桜の花枝を手に桜の精の本性をあらわし、両者は激しく争うのでした。。。というお話です。
この『積恋雪関扉』は歌舞伎舞踏の中でも名作といわれています。小説でも『桜の木の満開の下』という名作がありますが、特に夜の満開の桜の下は注意した方がいいかもしれませんね。
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