満開の桜の下には・・・最後の浮世絵師・月岡芳年の名作「新形三十六怪撰 小町桜の精」 (3/4ページ)
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月岡芳年
天明4年(1784年)11月 、江戸桐座で顔見世狂言で演じられた『積恋雪関扉』という歌舞伎舞踏の演目がありました。
あらすじは・・・
逢坂山の関で、辺り一面の雪景色の中、小町桜と呼ばれる桜の大樹が満開の花を咲かせています。先の帝の忠臣だった良峯少将宗貞が、政変に巻き込まれ今は逢坂の関の近くに隠遁しています。
そこを小野小町姫が通りかかると、関守の関兵衛が応対に出ますが、一人旅の美女を怪しみあれこれ言いがかりをつけます。宗貞が女の顔を見ると、なんと恋人の小町姫とわかり、二人は思いがけない逢瀬に涙します。
そこへ一羽の鷹が片袖をくわえて飛んできました。袖には「二子乗舟」の血文字が書かれています。これは宗貞の弟、安貞が自らの死を兄に知らせるためのものでした。
夜になり庭で関兵衛が一人で雪見酒をしながら星を占うと、今宵、桜を伐りたおし護摩木にして焚けば、大願成就との吉相が出ます。
実は関兵衛こそ、天下を狙う大伴黒主だったのです。
