「陰謀論」という言葉はCIAによって生み出されたという陰謀論(アメリカ) (3/5ページ)

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 また同委員会の検証結果に異を唱える者たちに反論するため、CIA関係者を理論武装させることも狙いだった。

 たとえば、まともな人間なら、暗殺実行犯とされたオズワルドのような不安定な輩を大きな計画の手駒として利用したりはしないだろうと強調したり、懐疑論者たちの理論的な矛盾を指摘したりしている。

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・CIA文書における「陰謀論」の扱い

 人によっては、CIAが世論を操作しようとするなど言語道断と思うかもしれない。

 しかし、問題の文書の中に、CIAが報告書への批判の信憑性を貶めるために「陰謀論」という用語を武器として利用し、あまつさえそれを考案したなどという記述は、一文たりとも登場しない。複数形の「陰謀論」という単語が、第3パラグラフの中で事もなげにたった1度だけ利用されているだけだ。

 「各種陰謀論(Conspiracy theories)は、たとえばリー・ハーヴェイ・オズワルドが我々の手先だったなどという虚偽の主張を唱え、度々我々組織に対して疑念を投じてきた。」

 CIA文書の作成者は、その用語をかなりカジュアルに用いており、きちんとした定義が必要だと感じていないのは明白だ。これは、陰謀論という用語が新しいものではなく、当時すでに公式見解とは異なる説のことを指して広く使われていたことを示している。

 また作成者は、ケネディ暗殺についての異説にレッテルを貼るために、「陰謀論」という用語を使えなどと奨励してもいない。このことは、その当時、陰謀論に今日のような否定的な意味合いがなかったことを示唆している。
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