新型コロナで「いよいよこいつの世話に...」 戦前に配布?「軍隊マスク」に思わぬ脚光 (2/3ページ)
ただ、国の漢字が旧字であることと、愛国という言葉が流行った時代を勘案すると、日中戦争初期頃かとも思えます」
日中戦争の開始は、1937年(昭和12年)からとされている。盧溝橋事件、北支事変を経て、戦火が広がっていった。ちなみに1940年(昭和15年)9月から開催予定だった東京オリンピックは、戦争その他の影響で開催権を返上し、結局中止された。
英語は敵性言語で使用できなかったとも聞くが、「マスク」は使用できたのだろうか?
「敵性語は、法律ではなく、許認可事務の際に政府が指導したり、民間の活動で取り締まったりしてますので、濃淡があります。影響のない時代のものか、気にとめられなかったか、どちらかだと思われます」
この「軍隊マスク」は、英国、米国との戦争が始まる前の時代の製品なのかもしれない。「軍隊マスク」が作られたのは、1940年前後のころだろうか。有事に備えて、今回のように民間に配布された可能性も、ゼロではないだろう(Jタウンネット記者の推測に過ぎないが......)。
軍隊マスク 信州戦争資料センター(@himakane1)のツイートより
「軍隊マスク」の材質、サイズ、特徴などを聞くと......、
「幅20.5センチ、縦10センチ、四隅にヒモが付いており、長さ11センチ。本体は3枚の布をミシンで縫い止めてあり、ヒモは1枚布です。油紙のような包みにずっと入っていたせいか、少々ホコリの香りがする程度。比較的丈夫な本体に対して、ヒモは短く弱そうという感じです」
けっこう丈夫そうなマスクのようだが、抗ウイルス効果があるかどうかは不明だ。