科学と宗教は水と油?偉大な科学者は有神論者?科学と宗教の距離感 (2/5ページ)

心に残る家族葬

17世紀に起こった大変革いわゆる「科学革命」(Scientific Revolution)の背景にはキリスト教があったというのが科学史では有力である。一般的にはキリスト教と近代科学は相容れないように思える。ガリレオ(1564〜1642)がカトリック教会の圧力に屈して自らの地動説を撤回し「それでも地球は動いている」とつぶやいたことはよく知られているエピソードだ。だが事実はそれだけではない。ガリレオは敬虔なクリスチャンであり、「神は二つ書物を書いた。一つは聖書、もう一つは自然である」との言葉を残している。

■地動説を唱えたコペルニクスはキリスト教関係者だった

天動説(地球中心説)から地動説(太陽中心説)の転換を図ったコペルニクス(1473〜1543)は教会関係者であった。主著「天球の回転について」は当時の教会からの後押しで出版されていることは知っておくべき史実である。コペルニクスが地上説に到達したのは、天動説の複雑な体系が「神の書物」とはとても思えなかったからである。彼は神が創造した世界はもっとシンプルで美しいはずだという信念があった。

世界(宇宙)とは、神が創造したものであり、自然はその至るところに神の意志による隠された秩序が存在する、いわば「神の書物」である。その書物を読み解くための人間の言語が数式であり、翻訳した文章が物理法則である。聖書では人間は神が己の姿を象った「神の似姿」であり神の被造物の中で最上位に位置する。それ故人間は「神の書物」を読み解くことができる。これがキリスト教の世界観から近代科学が生まれた背景であった。つまりキリスト教と近代科学は親子の関係であるといえる。

■次第に宗教から距離を置くようになった科学だが、偉大な科学者は有神論者だった

その後、科学はキリスト教から「親離れ」していく。科学は宗教を迷信として切り捨てる唯物論的世界観を形成しキリスト教を圧迫した。しかしキリスト教的背景は払拭しきれるものではなく、科学者イコール唯物論者というわけではなかった。A・アインシュタイン(1879〜1955)、K・ゲーデル(1906〜78)、M・プランク(1858〜1947)ら歴史に名を残す大科学者、数学者が有神論者であることは有名である。

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