志村けんリアル“加トちゃんケンちゃん”若き日の絆エピソード (2/2ページ)
■加藤宅に居候して…
〈振り出しに戻るしかないと、志村はふたたびドリフターズのボーヤ生活に戻る決心をした〉
なんとも、肝が据わっているというか、得な性格というか……。だが、そんな志村とて、いかりやに再び直談判する勇気はなかった。
〈相談に乗ってくれそうなのは加藤茶である。神妙な顔つきで加藤の家を訪ねた志村は、いかりやへの仲介を頼み込んだ〉
その場面を想像すると、まるでコントの1シーンのようだが、志村は真剣であり、加藤茶(77)は、ハゲヅラを被っておらず、“ひっきしっ!”とクシャミをすることもなかった。
結局、志村は復帰を許され、しかも、東村山(東京の多摩地域)からの通いは大変だからと、加藤宅に、ちゃっかり居候することになった。
〈『あんな楽な時代はなかった』と志村は言う。それもそのはずである。生活費は安上がりだし、仕事場は一緒なのだから、加藤についていけばいい。おまけに志村は運転免許を持っていない。(中略)加藤の運転する車に行き帰り乗せてもらうことになる。当代随一の人気者加藤茶を運転手に、その隣に名もないボーヤ志村けんが、ふんぞり返って乗っていた毎日だったのである〉
まるで、バカ殿のような日々ではないか。
〈『それだけじゃないんだよ、家へ帰って気がついたら、あいつ俺より先に、風呂へ入っちゃんてるんだよ。まったく、どっちがボーヤだかわかんなかったよ』と加藤は笑う〉
謹んで哀悼の意を表します。
この続きは、4月13日発売の『週刊大衆』4月27日号で。