JK×俳句×グルメ 異色のコミックが生まれた背景(後編) (1/2ページ)

新刊JP

『ごー・しち・ごはん!』(幻冬舎刊)
『ごー・しち・ごはん!』(幻冬舎刊)

「五・七・五」のリズムで詠われる俳句は、古くから日本人の生活に根差したものとして受け継がれてきた。特に興味がある人でなくても、一句か二句は松尾芭蕉や正岡子規の俳句をそらんじることができるのではないか。

『ごー・しち・ごはん!』(幻冬舎刊)は日本人のDNAに刻み込まれた俳句の魅力と、日本人になじみ深い季節の食べ物の魅力を存分に味わえるコミック。仲良し女子高生3人組の日常と、松尾芭蕉の俳句、そして食べ盛りの3人がパクつく食べ物との組み合わせが新鮮だ。

今回は著者の佐倉海桜さんにインタビュー。この作品が生まれた背景と狙いについてお話をうかがった。その後編をお届けする。

■桜の季節に口ずさみたい正岡子規の俳句

――作中に出てくる俳句はいずれも正岡子規の句です。なぜ子規の句を選んだのかについて教えていただきたいです。

佐倉:正岡子規さんの俳句は、二万五千有余あります。あれこれ思いを巡らせ一句一句見ていくと、時間が経つのも忘れ没頭してしまいます。それほどまでに、子規さんの俳句に魅せられた理由は、今は亡き母かもしれません。母も子規さんの俳句が好きでした。

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 (正岡子規)

という有名な句がありますが、毎年、母は庭の柿を見ながら、この俳句を口に出していました。母の隣で採れ立ての柿を食べながら俳句を聞くと、熟れた柿の甘味が心と五感に染み込み、今もその記憶が鮮明に蘇ります。それが発端で、私も子規さんの俳句が好きになりました。

――俳句の季語の中には食べ物にまつわるものが多くありますが、普段食事をしていて季節に思いを馳せることは年々減っている気がしますし、「旬」を意識して食材を選ぶ感覚もなくなっています。佐倉さんもこうした変化を感じることはありますか?

佐倉:たとえば野菜の旬。それぞれの野菜が、本来収穫できる時期に美味しくいただける頃を言います。

春を感じるそら豆レシピ。夏バテ防止のトマトレシピ。実りの秋に感謝、さつまいもレシピ。

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