元自衛官が指摘 銃を扱うが「弾丸」を知らなすぎる日本の自衛隊 (1/2ページ)
万が一、日本が外国の侵略にあった時やテロが起きた時に、最前線で敵と対峙する自衛隊。今の日本で最も銃火器の扱いに慣れているのは、訓練を通じてそれらを使用している自衛隊員たちだろう。
ただ、そんな彼らにとって、きわめて重要なものでありつつも、「盲点」となっているものがある。彼らが使う銃火器から発射される「弾丸」である。
■銃を扱うが「弾丸」を知らない日本の自衛隊『弾丸が変える現代の戦い方: 進化する世界の歩兵装備と自衛隊個人装備の現在』(二見龍、照井資規著、誠文堂新光社刊)は、わずか2年で驚くほど変わるといわれる銃弾の進歩の早さに、日本の自衛隊の認識が追いついていない現状を指摘し、警鐘を鳴らしている。
普段自衛隊員が訓練で撃っているのは紙やプラスチックの標的である。これらは撃っても穴が空くだけで、生々しい銃創は残らない。そのため弾丸の性能や威力に意識が向きにくいのだ。
本書によると、ベトナム戦争の頃は、兵士に小型の弾丸をできるだけ多く携行させ、短い時間にたくさん発射させるのが攻撃としての「パンチ力」だとされていた。使われていたのは5.56㎜弾と呼ばれるもの。この弾丸は小さく、たくさん携行できる利点もあるが、直径が小さいため、相手に与えられるダメージも限定的だった。
「たくさんの弾丸を短時間に発射させる」という戦闘の形式が変わったのは、今世紀に入ってからだ。それをもたらしたものこそ、弾丸の進化である。今の弾丸は単なる「鉛の塊」ではなく、工業技術の粋を詰め込んだものになっている。
その中心が「ハイテク7.62㎜弾」と呼ばれるものだ。この弾丸は撃ち出された後、空中を飛んでいる時は、先端に空気抵抗を減らすためのプラスチックのチップがついているが、相手に命中するとそれが外れ、弾丸の先端の金属部分がバナナの皮をむくように広がる。これによって、弾丸の直径が広がり、防弾プレートを破壊する。
それだけではない。弾丸の内部には貫通体という、いわば「第二の弾丸」が仕込まれていて、防弾プレートの後ろにいる人的標的を撃ち抜くのだ。