日本でマスクが一般化したのは大正時代。工場用マスクから時代を経て形を変えていったマスクの歴史

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日本でマスクが一般化したのは大正時代。工場用マスクから時代を経て形を変えていったマスクの歴史

現在、コロナの影響でマスクが品薄となっています。マスク文化がなかった欧米でも、マスク着用を政府が促すようになりました。日本は花粉症の人が多いのでマスク文化が根付いていますが、日本のマスクの歴史を辿ってみると、大正時代に遡ります。

日本でマスクが始まったきっかけ

大正時代のマスクは真鍮(しんちゅう)製の金網を芯に布地をフィルターとして取り付けたもので、粉塵よけに利用されていた工場用でした。

工場用マスクが一般にも注目されるようになったきっかけが、1918(大正7)年から流行した「スペイン風邪」です。

スペイン風邪のころの日本の女性たち(wikipediaより)

スペイン風邪とは、1918年から1920年にかけて世界中を混乱に陥れたパンデミックのこと。当時の世界人口のおよそ4分の1が感染したというから恐ろしいですね。

早期治療を呼びかける日本のポスター(wikipediaより)

日本でも感染者や死者が増えていく中、工場用のマスクがスペイン風邪の予防になるのではないかと注目されるようになります。

時代を経て形を変えていったマスク

スペイン風邪によって工場用のマスクが注目され、一般にも普及していきました。しかし、当時はまだ製品としてのクオリティはあまり高くなかったようです。

その後、関東大震災を経て、1923年(大正12年)に内山武商店の「壽(ことぶき)マスク」が商標登録品第1号となりました。

時代を経て、マスクはさまざまな形に変化していったのです。金網を使っていたのをセルロイド(合成樹脂)に変えたものや、フィルター部分を革などに変えたものが作られていきます。

1948年(昭和23年)ごろになると、現在でもある平型マスクのガーゼタイプが登場します。2003年(平成15年)ごろには、プリーツタイプの不織布マスクが一般に普及するようになりました。

現在ではコロナの影響で手に入らないマスクの代わりに、手作りマスクの需要も高まっています。手に入らないマスクの代わりに手作りマスクも準備しながら、なんとかこの混乱を乗り越えていきたいですね。

参考サイト

一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 | マスク マスクの歴史

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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