長谷川博己『麒麟がくる』染谷将太の“主役食い演技”でますます薄れる存在感 (2/2ページ)

日刊大衆

その後、今川義元の軍が尾張へ攻めてきたのを受け、道三は信長の那古野城に援軍を送ろうとするが、これに異を唱えたのが、道三の息子、高政(伊藤英明/44)だった……。

 冒頭の聖徳寺での会見。染谷将太と本木雅弘の緊張感あるやりとりがものすごかった。染谷の信長は憎たらしいまでの「たわけ」ぶりを発揮し、野心をむき出しにした名スピーチを披露。道三もこの演説に魅せられたようだったが、多くの視聴者も染谷が演じる信長の虜になったことだろう。その後も戦で死んだ仲間を思って悲痛な顔を見せるなど、染谷のいろんな表情が見られる回だった。今後の“染谷信長”がどのように進化していくのか、楽しみでならない。

 また、アクが強すぎる斎藤道三も、この放送回は見せ場たっぷり。ツイッターには「人の懐にひょいと入ってきて、すきを見つけてグサッとえぐる。本当にマムシのようでした」「主役級の斎藤道三」と絶賛の声が。染谷信長にモックン道三、もともとキャラが立っている武将2人に演技派をあてることで、より魅力的な人物になっている。

■長谷川博己が活躍する前に放送中断か?

 しかし、そうなると心配なのが、主演の長谷川博己だ。ツイッターには「十兵衛の影が薄かった。まわりが濃すぎるだけか」という投稿も。確かにほかのキャラが濃厚すぎるのだが。この回では、長谷川博己のセリフが主役とは思えないほど少なかった。

 聖徳寺の会見。那古野城への援軍をめぐっての道三親子の対立。そして信長による村木砦の戦い。いずれも光秀は、ひたすらに見守る立場。仕草や目線での細かい演技はさすが長谷川博己という印象だったが、あまりにも見せ場が少なく、これではさすがにかわいそうだ。

 最近は伊藤英明が熱く演じる、ギラギラとした高政の存在感も強くなってきた。また1人、ハセヒロを食いそうな役者が増え、長谷川光秀が心配でしょうがない。主役の光秀が覚醒するのは、道三親子がぶつかる長良川の戦いか、それとも信長の家臣になってからか?

 新型コロナウイルスの影響で、『麒麟がくる』はロケの中断が発表されている。ハセヒロの影が薄いままドラマの放送がストップ、という最悪の事態にならないことを心から願いたい。(ドラマライター・半澤則吉)

※画像はNHK『麒麟がくる』番組公式ホームページより

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