決死の覚悟で恋人を救出!満洲馬賊の女親分「満洲お菊」こと山本菊子の生涯【下】 (2/4ページ)
ここでは孫花亭の意)にゃ申し訳ないが、ここは諦めるしか……」
「……馬鹿おっしゃい!」
菊子はカウンターに隠しておいた柳葉刀(いわゆる青龍刀)をすっぱ抜くや店内のお客に向かって振り回し、「今夜はもう閉店だよ!お代は要らないから、みんな疾々(とっと)と帰った帰った!」と全員追い払います。
「姐さん、無茶はおよしなせぇ。この土地で関東軍に逆らったら生きては行けねぇ。第一、この店のスポンサーは関東軍じゃありやせんか……」
「お黙り!」
柳葉刀をカウンターに突き立て、菊子は啖呵を切りました。
「関東軍が何さ、お上が何さ……今までアイツらはアタシらを利用こそすれ、幸せにしてくれた事なんて、ただの一度だってなかったじゃないの。あの人を見捨てるくらいなら、一緒に殺された方がよっぽどマシさ!」
そう言って店の裏手から馬を引き出し、颯爽と跨って鞭を入れます。
「命が惜しけりゃ、お家に帰って震えてな!」
ここまで言われて引き下がっては、満洲馬賊の名が廃る……孫花亭の部下たちも仕方なく、慌てて菊子の後を追って行ったのでした。
決死の覚悟で孫花亭を救出!その豪胆さから馬賊の女親分にそして翌朝。
「……何か、言い残したい事はあるか」
孫花亭が刑場に引き出され、いよいよ斬首されようとしていたその時です。