女学生は髪を切ってはいけない!?校則問題は太平洋戦争前の女学生にもあった (2/3ページ)
それ以前にも、女性の髪の毛については現在では信じられないような厳しい決まりがありました。
明治維新後、政府は「散髪脱刀令」を発布し、男性はそれまでのちょんまげを切って散髪にする人が増えました。
この時、女性の中にも髪を切る人が増えたのですが、「髪が長いことが美しさの条件である女性が、髪を短くするなんて!」という反対の声が上がり、ついに1872(明治5)年に「女性の断髪禁止令」が発令されてしまいます。
髪を切ってはいけない理由は…やっぱり「なんとなく」だった!それにしても、なぜ昭和に入ってからも敢えて女学生たちに対し「髪を切ってはいけない」という校則を押し付ける必要があったのでしょうか?
これについて、興味深い記録が残っています。当時、大阪の高等女学校の校長が「なぜ女学生は髪を切ってはいけないのか?」と記者に質問され、このように答えたというのです。
「特にこうという理由はないが、小学生ならばともかく女学生くらいの年頃になったら伸ばした方がいい」
「女学生は洋服だから、髪くらいは日本古来の女性のように長くするべき」
「挨拶をするとき、髪が短い女子は髪が前へバサッとなり行儀が悪い」
どれも「後付け」のような理由ばかりです。
しかし校長はこのとき
「統制という問題も含まれている」
とも明言していました。
当時は太平洋戦争直前という、日本が戦争にまっしぐらだった時代。おそらくこれこそが、女子の断髪を禁止した一番の理由なのでしょう。