綾野剛、無料配信の黒歴史映画『ガッチャマン』での“異常な熱量”

日刊大衆

綾野剛、無料配信の黒歴史映画『ガッチャマン』での“異常な熱量”

 コロナ騒動で、自宅にこもる時間が長いこんなときこそ、いつもとは違う角度で見逃したテレビドラマや映画の無料配信を見てみると、意外な発見がある。

 そこで最近ハマッているのが、Amazonプライムビデオの無料配信で、公開当時「駄作」と叩かれまくった作品を見ること。今回は松坂桃李主演の映画『ガッチャマン』を見たのだが、その中でジョージ浅倉を演じた綾野剛のファンになってしまっていた。

『ガッチャマン』は松坂と綾野のほか、剛力彩芽鈴木亮平と現在、芸能界で大活躍しているメンバーがズラリ。今見ると、アニメ発の壮大すぎるストーリーに振り回される、ヤングな時期の彼らの熱量が愛しくて切ない。その中で綾野剛は、黒いダイヤモンドのように底光りしていた。

 黒い戦隊スーツを着て登場するシーンがまず、恐ろしく美しい。ストーリーが中だるみしても、綾野が登場すれば、スタイリッシュかつシャープに画面が締まるのである。後半はもう彼の姿を拝むのに集中していた。主役であれば物語そのものの深さを出し、脇にまわればヒーローをまぶしく照らし出す。暗いのに安心する、夜空のような包容力を持った役者であり、この『ガッチャマン』は、そんな綾野剛の魅力をつくづく確認できた1本だった。

 これで勢いがついて、彼が石川五右衛門を演じた実写版映画『ルパン三世』も見た。そもそも実写化自体が無謀な挑戦であり、キャラの中でも外せばかなり痛々しい出来に仕上がるであろう五右衛門を、「綾野剛でよかった。ってか他にいる?」ぐらいに見事に成立させていた。キラキラとした少女漫画の主人公のようなイケメンとはまた違う、細い切れ長な瞳で見せる優しさと狂気は、とても貴重だ。

■無料配信で“綾野剛沼”に

 正義をやれば柔らかく、悪をやればゾッとするほどズルい。それはもう細い細い絹糸で、自在に模様を織り上げるごとし。ほかにも歌舞伎町のスカウトマンを演じる『新宿スワン』、汚職刑事がリアルすぎて怖くなる『日本で一番悪い奴ら』(実話ベース!)、静かなる情熱を感じるドラマ『空飛ぶ広報室』(TBS系)などなど、現在Amazonプライムビデオで無料配信されている作品だけでも、彼を追っていくことで驚くほど幅広い世界を見ることができる。

 お時間のある方は、ぜひ綾野剛出演作品の中でも、内容的に共感できそうにない映画やドラマに一度挑戦していただきたい。多少強引に、綾野がその世界に引っ張り込んでくれるだろう。

 個人的には初期のセンター分けロングソバージュヘアのエキセントリック・綾野剛が大好きなので、野島伸司脚本の怪作ドラマ『GOLD』(フジテレビ系)がどうしても見たくなってきた。無料配信を待ちきれない。借りるか……。(田中稲)

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