奥田民生が幻の名曲『Maybe Blue』を「一切ふざけず」ガチ熱唱!

ユニコーンの奥田民生(55)が“ガチで『Maybe Blue』を歌う”動画が、話題を呼んでいる。
5月いっぱいまでユニコーンの公式YouTubeチャンネルで公開されていた『ユニコーン ツアー2011 ユニコーンがやって来る zzz…』の一場面。このツアーで、初期ユニコーンの人気曲だった『Maybe Blue』が、2009年の再結成後に初めてフルで演奏されたのだ。
ガチで歌って当たり前ではないか、という声もあるだろうが『Maybe Blue』は、ユニコーンの中でも特別な一曲だ。
「同曲はファンからの人気が高いにもかかわらず、解散前でさえ、ライブではほとんど演奏されてこなかったんです」(音楽ライター)。
1987年発売のユニコーンのデビューアルバム『BOOM』の代表曲であり、PVが作られたり、テレビ番組で披露され爆発的な人気となった『Maybe Blue』だが、シングルカットはされなかった。ちなみに、ユニコーンの初めてのシングルは、89年発売の『大迷惑』。
「レコード会社の戦略なのか、なかなかシングルが切られず、当時のファンはやきもきしていたはずです」(同)。
そんないきさつのある『Maybe Blue』だが、89年に発売されたアルバム『服部』が大ヒットすると、バンドはまるで過去のメロディアス路線を封印するかのように、その後は一切演奏されないままに93年の解散に至る。
■待望の再結成後も……
バンド解散後、ソロとして活動した奥田民生(Vo/g)は、弾き語りライブなどでユニコーン時代の名曲『すばらしい日々』や『働く男』などをカバー。バンドスタイルでも、コアな人気があった『家』を演奏するなどしたが、『Maybe Blue』は、ついぞ披露されることはなかった。
2009年に待望の再結成が発表され、開催されたツアー『ユニコーン ツアー2009 蘇える勤労』では、『おかしな2人』『車も電話もないけれど』『すばらしい日々』など、かつての人気曲が惜しげもなく披露され、ファンの喝采を浴びた。しかし、やはり『Maybe Blue』が演奏されることはなかった。
「人の琴線に触れる繊細なメロディと切ない歌詞に、ファンはメロメロでした。ただ、そういったファンの熱狂に対して、作詞作曲を手がけた奥田さんは、どこか醒めているようにも見えましたね」(同)
アイドルのように黄色い悲鳴を浴びることに嫌悪感があったという奥田民生の性格をよく知るファンは、『Maybe Blue』が演奏されることを半ば諦めていたようだ。
「しかし、2011年に開催された“zzz”ツアーで、『Maybe Blue』が約20年ぶりに披露されたんです。ツアー初日、キーボードのあの印象的なイントロが流れた途端に、会場に地鳴りのような歓声が響きました」(同)
■「フリ」に使われたことはあったものの…
2011年は東日本大震災が発生し、日本中が鎮魂と祈りに包まれた年。このツアーでも、仙台公演が延期になるなど大きな影響があった。
「5月にスタートしたツアーですから、もしかしたらセットリストを作る際に、ファンが求めるものを演奏しよう、という気持ちがあったのかもしれません」(同)
過去に、『Maybe Blue』のイントロだけが披露され、その後、違う曲が流れるというような「フリ」に使われたことはあった。ユニコーンの中で、なかば「ネタ」と化していた同曲だったが、“zzz”ツアーではフルで演奏され、デビュー当時と変わらない奥田民生の伸びやかで澄んだ歌声が会場に響いたのだった。
「やっぱりしびれますね。なんのおふざけもなく、奥田は最初から最後まで真剣に歌いきった。このガチの歌唱でシンガーとしての奥田の魅力をあらためて感じることができました」(同)
ユニコーン公式YouTubeチャンネルでは、このほかにも、「ユニコーン ツアー2009 蘇える勤労」「ユニコーン ツアー2009 蘇える勤労の日々」「ユニコーン ツアー2014 イーガジャケジョロ」本編が、5月31日までフル尺で無料公開されていた。
また、6月10日発売のDVD・ブルーレイ『MOVIE38 ユニコーン100周年ツアー"百が如く”』では、フェスでも人気の定番曲『自転車泥棒』『ヒゲとボイン』などのほか、「服部メドレー」と題された、名盤『服部』からのメドレーも収録。こちらも見逃せない。