阪神・藤浪だけじゃない! もっと重い罰則が課されたケースも、遅刻で身を滅ぼしたプロ野球選手たち (2/2ページ)
現在も指揮を執る井口資仁監督から「頭を冷やした方がいい」と即二軍行きを告げられ、同日は二軍の練習にも参加させてもらえなかった。
それまで2年連続で130試合に出場するなど、正捕手の地位を確立しつつあった中で失態を犯してしまった田村。ただ、処分から1週間後に一軍に復帰した後は首脳陣の信頼を取り戻し、シーズンでは球団の捕手としては1969年の醍醐猛夫以来49年ぶりとなる全試合出場を果たしている。
一度の遅刻で即二軍落ちとなってしまった3名だが、球界の“土壌”を考えるとある意味では当然といえる。球界に身を置く選手や指導者のほとんどは、時間厳守を含め厳しいルールが課せられる高校・大学を経てプロ野球の世界に入っている。そのため、プロ入り後もその多くが「時間厳守は当たり前」という意識を持ち続けていることは想像に難くない。
実際、どの球団でも決められた時間より5分、10分早い行動は当たり前で、巨人に関しては集合時間の30分前に行動する“ジャイアンツタイム”と呼ばれる独自の慣習も存在する。そのような中で遅刻した選手が、「自覚がない」として立場を失うのは不思議な話ではないだろう。
藤浪の二軍降格を伝える報道の中では、矢野監督の「これが初めてじゃない」というコメントも伝えられている。前述の3名以上に厳しい立場になっているといえる藤浪だが、果たしてここから首脳陣の信頼をどのように取り戻していくのだろうか。
文 / 柴田雅人