世界の福本豊〈プロ野球“足攻爆談”〉「高3球児たちに『最後の試合』を!」 (2/2ページ)

Asagei Biz

 甲子園の1回戦の秋田戦は、延長13回に自分の前にポテンヒットが落ちてサヨナラ負け。二塁手とお見合いする悔いの残るプレーやった。チーム全体に油断があったのかもしれん。初回は僕が四球で出塁して、盗塁が成功。2番打者の送りバントが失策を誘って、ヒットなしで1点を取った。2回にも2点を追加し「楽勝やな」というムードに。ところが、2番手投手をまったく打てなかった。僕も盗塁でアウトになったし、3回からは無得点。9回に追いつかれ、悪夢のような幕切れやった。でも、あのポテンヒットがあったから、守備への意識は高まったし、その後の糧となった。甲子園は僕にとっても人生を変える舞台やった。

 それに、甲子園に出られなかったとしても「高校最後の試合」は人生の宝物になる。先輩たちもいまだに顔を合わせれば「あの時、お前がスクイズを決めていたら」など、思い出話に花を咲かせている。今年の3年生にもそういう節目となる試合だけはさせてあげたい。地方大会だけは開催して、優勝チームを何年か後に甲子園に集めるはどうやろ。たとえ何十年たったあとでも、仲間と一緒に甲子園でプレーできたら最高の宝物になると思うんやけど。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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