地球内生命の基本分子は左右どちらかに偏っている。その理由は宇宙に由来がある可能性(米研究) (2/4ページ)
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・ホモキラリティーは宇宙線の影響か
『The Astrophysical Journal Letters』(5月20日付)に掲載された研究では、その理由について、生命が宇宙から届く強い力によって形作られたからではないだろうかと説明している。
スタンフォード大学をはじめとする研究チームが言っているのは、光速に近い速度で銀河から常に降り注いでくる宇宙線のことだ。
宇宙線は細胞が突然変異する確率を高める。しかし、それはそのまま地上に降り注いでいるわけではなく、大気や地磁気によって相当に弱められている。
宇宙線のかなりの部分は地磁気によって逸れてしまうし、逸れなかったものも大気に当たって崩壊する。そのため地上に到達した頃には、ほとんどの宇宙線には「ミュー粒子」(電子に似た素粒子)しか残っていない。
ミュー粒子は他の素粒子に比べると寿命が長く、平均2.2ミリ秒存在する。それが光速に近い速度で飛来するので、崩壊するまで地下を数百メートル移動することができる。すると、そこで崩壊して電子になるのだが、今度はそれが磁気を同じ方向に偏極させる。