地球内生命の基本分子は左右どちらかに偏っている。その理由は宇宙に由来がある可能性(米研究) (3/4ページ)
宇宙線の既知の発生源であるカニ星雲 image by:NASA
・磁気の偏りがホモキラリティーを作り出す
これは今存在する生物にはほとんど影響しない。しかし自己複製分子としてようやく誕生したばかりの初期生命なら、ずっと大きな影響を受けた可能性があると研究チームは考えている。
彼らによれば、初期の分子には、人工的に作られる分子のようにL体もD体もあったのだという。
しかし常に磁気的に偏極したミュー粒子にさらされるうちに、キラリティーにわずかな偏りが生じた。さらに数十億世代が経過するうちに、その影響はもっと大きなものとなり、やがてもう一方のタイプを駆逐してしまった。
宇宙線の既知の発生源であるカニ星雲 image by:NASA
・ホモキラリティーは宇宙の普遍的な法則か?
この説が正しいのかどうか、大昔にさかのぼって調べることはできない。しかし、たとえば細菌に磁気的に偏極した放射線を浴びせて、その突然変異を確かめてみることはできるかもしれない。