「味は一流」でも失敗する 飲食店の鬼門「居抜き物件」にひそむ落とし穴 (1/2ページ)
昨今のコロナ禍による経済活動の停滞で痛手を負った業界は数知れない。飲食店はその最たるもので、老舗レストランの閉店や大手外食チェーンの大量閉店がこれまでに報じられている。
ただ、極端に外を出歩く人が減り、街が閑散とした4月・5月も、比較的少ないダメージで乗り切った店もある。この記事の筆者が住んでいる東京都西部では、通勤客が主な客層だったと考えられる駅中、駅前の飲食店ほど客足が遠のく(営業自体を自粛する店も多かった)一方で、駅から少し離れてはいても、近隣に住宅街があり、近所の常連客を相手に商売をしている店は、時短営業など都の要請に従いつつも(もちろん、売り上げは落ちているのだろうが)、致命的な事態になるのは避けられている印象がある。
小さなコミュニティに根差し、リピーターとなる近隣住民を取り込むという戦略が、今回のコロナ禍で奏功した形だが、これは飲食店が成功するための王道の一つ。もちろん、勝ち方は一つではない。ただし、飲食店の場合「失敗する理由」はすべて同じ、とするのは飲食店コンサルタント・須田光彦氏だ。
■だからあの店は失敗する 「居抜き物件」は落とし穴がたくさん「これをやるといい」という明確な正解はないが、「これはやってはダメ」という不正解はあるのが飲食の世界。その一つとして注意すべき点が、初めて飲食店を開業する人にありがちな選択肢の中に潜んでいる。「居抜き」である。
前の店の設備や内装、レイアウトをそのまま引き継いで使える居抜きは、初期投資が安く済み、家賃も相場より安くなる傾向があるため、借り手のメリットは大きい。ただ、考えなければいけないのは「その物件を借りて営業していた店は、成功しなかった」という点だ。何らかの理由でうまくいかなかったから、前の借り手は撤退したのだ。居抜きで店を持つなら、その理由を考えなければならない。
その物件は、そもそも集客しにくい立地なのかもしれないし、店の外観を整えるのに何らかの制約があるのかもしれない。レイアウトが自由にならず、必要な席数が用意できない作りになっているのかもしれない。このあたりの「前の借り手が成功しなかった要因」を明らかにする前に借りてしまうのはリスクが大きい。
■意外な制約も…。