かつて火星に環があったことを示す新たな証拠が発見(米研究) (2/5ページ)
そのため初期のフォボスは現在のものよりずっと大きかったのだという。
火星の第1衛星「フォボス」image by:NASA
・異質なフォボス
火星の第2衛星「ダイモス」の軌道は、火星の赤道面に対して1.8度だけ傾いている。変わっているのはその点だけで、離心率が小さいごく普通の軌道をおよそ30時間かけて周回している。これまで誰も「ダイモス」の軌道に注目してこなかったのはそうしたわけだ。
だが「フォボス」は異質だ。火星にずっと近く、公転周期は7時間39分。そして年に1.8センチずつ火星に接近している。
そのため1億年以内に「ロッシュ限界」に達すると予測されている。ここは惑星や衛星が主星の潮汐力に耐えられるギリギリの境界で、「フォボス」がここを越えればバラバラに破壊されてしまう。
そのときに生じる破片は環を形成し、火星に降り注ぐ。だが一部は再び集積し、以前より小さな衛星へと生まれ変わる。環が内側へ引き寄せられる一方、生まれ変わった「フォボス」は外側へと押し出される。