「期待」が裏切られる本当の理由 (2/4ページ)
これを設置した当時の経営陣にどのような思惑があったのかは分かりませんが、少なくとも今のスタッフに関していえばお金を着服するような輩は存在しないことでしょう。
しかし、それでも自動精算機を廃止にするつもりは御座いません。
もちろんそれはお客様のためにもなりますし、人件費の削減という意味合いも御座いますが、仮にそれらのメリットが無かったとしても、自動精算機を廃止にすることはないでしょう。
なぜならば、それが従業員を信用するためにつながるからで御座います。
◇信用しているときこそ期待しない
もしも自動精算機を廃止にしてお金を手渡しにしてしまったら、ふとした気の迷いでお金を盗んでしまう従業員が生まれてしまうかもしれません。
もちろん私は彼らのことを信用しております。しかし信用しているからこそ、そして信用し続けたいからこそ、彼らが不正を働きやすくなるような環境を作ってはいけないのです。
例えばお金に苦しんでいる人がいるとしましょう。そんな人の前に大金をぽんっと置いたらどうなるでしょうか?
そんなもの盗むに決まっています。少なくとも「盗んでもバレないかな」とか「これがあれば生活は楽になる」という邪心が芽生えてしまうことは間違いありません。
目の前にお金が無造作に置かれてしまったことで、本来は芽生えていなかったはずの邪心を芽生えさせてしまったのです。普段は真面目に生きている人なのに、目の前に無造作にお金を置いたことで彼の中に邪心を生み出してしまうのです。
全ての人間は状況さえ揃えば、人を裏切り、物を盗み、人を殺します。
◇人は状況さえ揃えば、裏切り盗み殺す生き物
私たちが人を裏切らず、物を盗まず、誰も殺していないのは、幸運にもそのような状況に陥っていないからにすぎません。そして私たちがそのような状況に陥っていないのは、これまでの人類の歴史やさまざまな人々が必死でその状況を整えてくれたからにすぎないのです。
「その人はそんなことしないはずだから」という期待で、その状況を打ち壊すようなことは絶対にしてはいけません。