この人は使えないから切っちゃえ。そう思った末の行動なのかどうか。コロナだらけの社会をグサッと刺すように日本中を震え上がらせた、兵庫県宝塚市で起こったボーガンによる親族4名への殺傷事件。容疑者は23歳の大学生だった。

「家族全員を殺害するつもりだった」という自供もさることながら、叔母を電話でわざわざ呼び出して犯行に及んだ点など、動機を含め、ワイドショーが掘り下げそうな事件であった。もっとも注目されているのは容疑者の過去や素顔だろう。それを我先に見つけようと躍起になるのは当然で、地元民や容疑者の過去のクラスメートなどに情報依頼が殺到しているとか。そんな中、TBSの朝の情報番組「あさチャン」がネットのトレンド入りを果たしたという。

「6月4日、ツイッター上で、『あさチャン』公式のスタッフアカウントから容疑者の中学時代の同級生に、当時の容疑者がどういった人物だったか教えてほしいという依頼ツイートがあったそうです。ところが、その元同級生は、情報は伝えられないと断ったそうですが、次は『卒業アルバムを持っていたら写真だけでも見せてほしい』とDMを送ってきたそうです。すぐには返事をしなかったようですが、しばらくして確認すると、なんとその元同級生を『あさチャン』側がブロックしていたようです。この元同級生いわく、ほかの局からも取材依頼があったそうですが対応が丁寧だったということで、『あさチャン』のやり方が釈然としなかったんでしょう。このやり取りを公開する事態となったんです」（週刊誌ライター）

　この騒ぎにTBS側もあわてたのか、6月5日にはこの「ブロック行為」について「誤操作によるもの」とする謝罪文が届いたことを元同級生は明かしている。なお、このブロック騒動について、当該ツイートはすでに削除されているため、すでに収束へと向かっているようだが……。

「ブロックとまではいかなくても、似たような事例はこれまでツイッター上で何件か確認されています。噂では、事件などが起きると、AIに情報収集をさせ、取材依頼のメッセージまで送信させるシステムができつつあるようです。そのためか、各ワイドショーの番組スタッフを名乗る人間からのコンタクトについて、『めちゃくちゃ上から目線なDMが届いた』『敬語の使い方を知らんのか、加害者の名前も間違っとるし』といった苦情があがっていました。また、ブロックでもっと問題になりつつあるのが、河野太郎防衛大臣。彼は何かと政治的なコメントをツイッター上にアップしていますが、6月6日、時事ネタ好きで知られるお笑いタレントが、『河野太郎にブロックされた』とオンライン記事で明かして話題となりました。じつは河野大臣の『ブロック行為』が露見するのはこれが初めてではなく、過去には新聞記者や河野大臣について批判的なツイートをした一般人がブロックされたことが明らかになっています。これにはさすがに『大臣として批判をシャットアウトするのはどうかと思う』『だったら最初からツイッターなんてするなよ』といった批判が巻き起こっています」（フリージャーナリスト）

　テレビ各局の情報収集に関しては、今後、ツイッター上の「誤操作」に十分気をつけてほしいところ。そして、くしくも現役の防衛大臣の“ブロック癖”にまで飛び火したのは皮肉としか言いようがない。

（小机かをる）