溺れた愛犬を救うため、危険を顧みず急流に飛び込んだ飼い主(パナマ)
愛犬を救いたい一心で飛び込む飼い主 image credit: youtube
最愛のペットが危機に瀕した時、自らを危険に晒しても救おうとする飼い主はきっと少なくないだろう。
去年の11月、パナマで急流に溺れ流された愛犬を救おうと、飼い主の男性は躊躇うことなく川に飛び込んだ。献身的な飼い主のおかげで、犬は一命を取り留め、無事に救助された。『Go Animals』などが伝えている。
Brave dog owner immediately jumps into deadly river to save his pet
・豪雨で氾濫した川に飼い犬が流された
2019年、パナマのサン・ミゲリートを流れるシナイ川は、上旬に発生した豪雨が原因で、普段の穏やかさから一変して氾濫し、急流となっていた。
野菜売りのマニュエル。カルデロンさん(35歳)は、犬のフーロを連れて、数人の友人と一緒に氾濫している川を横切ろうとしていた。
先に渡ったマニュエルさんに続き、フーロは後を追うため川を渡ろうとするが、ほんの少し躊躇してしまう。
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しかし、待っているマニュエルさんに辿り着こうと歩みを進めた瞬間、フーロは流れの速い川の勢いに足を取られて、そのまま流されてしまった。
一瞬の出来事だったが、それを見たマニュエルさんは躊躇うことなく、すぐに激流の中へ飛び込んだ。
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フーロは、かなり先へ流されてしまったようだが、マニュエルさんは必死で泳ぎ、なんとか追いつくとフーロを抱え、数メートル先の川岸へと降ろした。
犬を助けるために川へ飛び込んだマニュエルさんを心配した友人らしき男性が、「彼(マニュエル)を助けてやらなきゃ!」と叫んでいる声が動画の中で聞こえている。
しかし間もなくして、犬を腕に抱えたマニュエルさんの姿が現れた。
・市長がマニュエルさんを市の動物福祉部員に加える
その後、マニュエルさんは地元メディアに次のように語っている。
あの時、犬を救うことだけに集中して本能的に川に飛び込みました。なんとか犬を捕まえることができたことを神に感謝しました。
当たり前のことですが、動物にも命があります。だから決してないがしろにしてはならないと思っています。私がみなさんに何かを伝えられるとしたら、生きとし生けるものを大切にするということです。動物にも感情があると、私は信じていますから。
この危機一髪の救助劇を知ったサン・ミゲリート市長は、マニュエルさんの献身的な動物を思う愛にとても感動し、マニュエルさんを市の動物福祉部員として迎えることを発表したそうだ。
ちなみに、地元メディアによると、マニュエルさんは両親に捨てられ1人で育ってきたという。裏切ることなく、傍にいつも寄り添ってくれる動物が、きっと唯一の家族だったのかもしれない。
フーロにとっても、マニュエルさんが無くてはならない「良き相棒」であることは、この写真からもわかる。
written by Scarlet / edited by parumo