間違ってない? 「なし崩し」の正しい使い方 (3/3ページ)

マイナビウーマン

『岩波国語辞典」(岩波書店)にも、「急に形を失って無くなる意に使うのは誤用」と書かれています。

 以下のような文例は、「なし崩し」の辞書的な定義からすると、誤用だといえるでしょう。

・忙しさを言い訳にして、頼まれた仕事をなし崩しにする。

・先人の努力をなし崩しにするような、おかしな真似はよせ。

 ■「なし崩し」の類語や言い換え表現

平成29年度(2017年度)の文化庁「国語に関する世論調査」によると、「借金をなし崩しにする」という例文に対し、適切な意味の「少しずつ返していくこと」で理解できている人よりも、不適切な意味の「なかったことにすること」で認識している人が多いという結果になっています。

若い人ほど間違っている、というよりは、全世代が勘違いしている状態です。なんと50代では、他の世代よりも高く、72.8%の人が誤解しているといいます。

正確な意味を知らない人がここまで多いとなると、言葉の意味が変わりつつある、新たな意味が生まれている、ともいえる状況です。

こうなってくると、ビジネスなどのコミュニケーションでは、「自分が正しい意味で使う」というだけでなく、「誤解されそうな場面・文脈では、『なし崩し』は使わない」という注意も必要になってきます。

例えば、「借金をなし崩しにする」とは言わず、「借金を少しずつ返す」と言い換えるようにするのです。誤解のない表現に置き換える、という親切です。

ここで、「少しずつ」以外にも、「なし崩し」の代わりに使うことのできる、類語・言い換え表現を知っておきましょう。

・徐々に

・緩やかに

・段階的に

・じわじわと

・一歩ずつ

・漸進的(ぜんしんてき)に

「なし崩し」の本来の意味を知った上で、正しく使いこなそう

「なし崩し」は、「借金を少しずつ返す」ところから広がって、「少しずつ行う」「少しずつ行って既成事実化してしまう」という意味も持つようになった語です。

意味が複数ある上、誤用している人も多い表現なので、使われている文脈をよく確認して、ここではどのような意味なのか考えてみると良いでしょう。

また、誤用している人が多い分、「少しずつ」という元の意味で使いたい場合には、言い換え表現に置き換えた方が安心でしょう。

(吉田裕子)

※画像はイメージです

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