最近の人はこのニオイを嗅いだことがあるだろうか?時代とともに消えゆく9のニオイ

ニオイほど古い記憶を呼び覚ますものはない。おじいちゃんが吸っていたタバコのニオイ、小学校時代のクレヨンのニオイ、昭和の子どもたちだったら紙石鹸のニオイなんかも懐かしいだろう。
近年、技術進歩や安全規制に伴い、消えつつあるニオイがある。ここに出てくるいくつかのニオイも、最近の人は嗅いだことすらないかもしれない。逆にこのニオイを覚えている人は懐かしさで当時の光景が思い浮かぶかもしれない。
・1.ガリ版印刷機

コピー機の普及に伴い、いつのまにか姿を消していったガリ版印刷機。日本でも1970年代まで使用されていた。学校の教室で先生が印刷したてのプリント用紙を生徒に配るたびに、独特の香りがしたそうだ。当時のちびっこたちに言わせると、思わず鼻に用紙を近づけて、その香りを思い切り吸い込みたくなるニオイだったという。これはメタノールとイソプロパノールが混じり合ったインクによるニオイだそうだ。
・2.枯葉の燃えるニオイ

秋が深まり、近づいた冬の気配を感じるニオイは、ひんやりした空気の中にたちこめる燃える枯葉のニオイだろう。10月の声を聞くと、風が冷たくなり、地面に薄く霜がはるようになるが、そんな中、積み上げた落ち葉から立ちのぼる煙は、温かく気持ちが安らぐニオイがする。
日本ではまだ、たき火をして焼き芋を焼いている地域もあるだろう。だがアメリカでは、1980年代から、各自治体は環境汚染への懸念から、戸外で火を燃やすことを禁じる法案を制定し始めた。今では、住人たちは落ち葉はかき集めてゴミ袋に入れるか、腐葉土として利用することを奨励されているという。
・3.ディーゼル排気

市バスやトレーラートラックが、冬の寒い朝アクセルをふかしても、以前ほどはあの独特なニオイはしなくなった。かつては、こうした車が吐き出す懐かしい排ガスのニオイを楽しんだ人もいたそうだ。選択接触還元に伴うディーゼル燃料の硫黄含有量削減のおかげで、今日のディーゼルバーナーのニオイはほとんどしなくなっている。
・4.開けたてのポラロイドフィルム

2008年、ポラロイドはインスタントフィルムの製造を中止した。新しいフィルムのフォイルを開けると、甘い化学薬品のニオイがしたものだ。当時、多くのアメリカの子供たちが初めて手にしたカメラはポラロイドスウィンガーで、彼らにとって写真といえばフィルムをあけたときのこの“ニオイ”だったのだ。
・5.マジックマーカー

1990年代初めまで、マジックのインクといえばトルエンとキシレン配合のもので、独特なニオイがあり、吸い込むとえも言われぬ感じがした。今でもこのマーカーは販売しているが、使われているアルコールベースのインクは昔ほど強烈なニオイはしない。
・6.昔の新車のニオイ

今の新車のニオイは、30年以上前の新車のニオイとはまったく違う。車のにおいのもとはだいたい使われている排気合成物質、プラスチック、化学添加物などのニオイだが、1960年代のアメリカ製の車にはプラスチックは22ポンドしか使われていなかった。2012年にはその量は250ポンドになり、今ではシートやマットに安全のため難燃剤や抗菌剤が加えられている。
・7.真空管使用の電子機器

古いテレビやラジオには真空管が使われていて、トランジスターと違って、電源を入れると、温かみや独特なニオイを発した。長年の間にテレビやラジオの内部に薄いホコリがたまり、それと合わさってかすかに燃えるようなニオイがするようになる。学校で使われるようない古い映写機も、中の電球が熱を放って似たようなニオイを放つ。
・8.電話帳

グーグルのおかげで、住所や電話番号を探すのに、イエローページをめくる人はほとんどいなくなった。数年前までは、ほぼすべての家庭やオフィスには、分厚い電話帳を何冊かあった。安価なざら紙とインクと綴じ糊が、標準的なペーパーバックよりも紙らしい、何度も嗅ぎたくなるようなニオイを放っていたものだ。
・9.チョークの粉

チョークの粉のニオイは学校を思い出す。多くの教室に黒板があり、下の溝には白い粉がたまっていたものだが、それも今はホワイトボードにとって替わられている。
via:mentalfloss・原文翻訳:konohazuku
さてみんなはどんなニオイに思い出があるかな?
また嗅いでみたいけど、失われつつあるニオイって他に何があるだろう?