「図書館で借りた本をレンジでチンしないでください」アメリカで異例の通達

カラパイア

「図書館で借りた本をレンジでチンしないでください」アメリカで異例の通達
「図書館で借りた本をレンジでチンしないでください」アメリカで異例の通達

本をレンチンする人続出 /iStock

 もはや一家に一台の調理機器、電子レンジも使い方を誤るととんでもない事故になることは多くの人が知るところだが、先日アメリカのミシガン州の図書館がややキレ気味に発した注意喚起が話題を呼んでいる。

 その訴えはなぜか「図書館の本を電子レンジでチンしないでください!」というもの。

 多くの人が「そもそもやろうとも思わんし。てかそんな人おる?」と聞きたくなるかもしれないが現地の図書館にはレンチンで焦げた返却本が大量にあるのだ。
 
 実はこれコロナ対策の疑いがあるという。感染を恐れる利用者が電子レンジでの加熱消毒を試みたために、本の管理タグが発火したとみなされてるのだ。
・電子レンジで図書を加熱しないで!図書館の悲痛な呼びかけ

 今月18日、ミシガン州のある図書館が一般市民にコロナの感染防止目的で本を電子レンジでチンしないよう呼びかけている。

 Facebookで悲痛な呼びかけをしているのはグランドラピッズ市にあるケント地区図書館だ。同館の訴えによると、ミシガン州には電子レンジで損傷した本が大量にあるという。

ケント地区図書館が返却された資料などを72時間隔離することをお忘れなく。電子レンジでチンされた本は以下の写真のようになってしまいます。

当館が所蔵するすべてのものには金属を含むICタグがついています。それらのタグは電子レンジの使用によって発火します。


 この図書館すべての本には、電子レンジで発火する金属を含むRFIDタグがついている。そのためレンチンすると火災を招く恐れがあるのだ。


・コロナ対策で思いつたレンチン消毒法?

 この地区の図書館の管理者エリザベス・グアリノコズロウィッツ氏は、どこからこうした方法が広まったのかと疑問に思ったそうだ。

これをやった人たちがニュースで何かを見たのかは知りませんが、彼らはCOVID-19対策のために加熱を思いついたのかもしれません


 しかし図書館は安全のため米国疾病対策センターのガイドラインに沿って収蔵資料のコロナ対策を行っている。その上すべての資料を返却から72時間以上空けてから貸し出すきまりを徹底しているのだ。

 これだけ気をくばっていてもなお、大切な本が無茶な「消毒」により無残な姿で返ってきたら。もとより本が好きな図書館員もやりきれなくなるだろう。


・原因は管理用タグ。自己流の消毒が発火事故に?

 近年図書館が利用してる管理タグは電子レンジでチンすると燃えてしまう。ところがそれを知らない利用者が消毒目的で本をレンチンすれば発火事故が起きる。

3
image credit:facebook

 というか、仮にコロナウイルスを恐れての行動だとしても、紙の本、しかも公共の図書をチンするって発想に脳が追いつかないし、実際やるのもある意味すごい。

2
image credit:facebook

 そもそも燃やしてしまった人は、ウイルスを意識するわりに図書館の対策を気に留めなかったのかな?

 知ってても「まだ気になるから電子レンジで追い消毒!」と思ったかもしれないが、そのために本を熱して傷つけるぐらいなら借りるのを見合わせるという選択肢もあるんじゃなかろうか。


・感染予防に紙幣をレンチンで焼いた事例も

 そういやちょっと前も海外で「紙幣を消毒したくてレンチンしたら燃えた!」なんて事例があったけど、消毒を目的とした電子レンジの誤使用で物を焼失したり火災を起こせば本末転倒だ。

 コロナ流行中の現在、ネットでも根拠のない情報が流布しがちだが、こういう時こそ何事も過ぎたるはなお及ばざるが如しという言葉を肝に銘じていたいものだ。

References:kiro7 / boingboing / facebookなど /written by D/ edited by parumo
「「図書館で借りた本をレンジでチンしないでください」アメリカで異例の通達」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る