長年研究者が勘違いしていたミイラの正体。鳥ではなく人間の胎児だったことが判明(古代エジプト) (1/3ページ)
古代エジプトの小さなミイラ image by:Maidstone Museum
2100年前の作られたとされる古代エジプトの小さなミイラは、ミイラを納めてある棺に鳥(鷹)の絵が描かれており、大きさ的にも、その中身は大切にされていた鷹のミイラだと信じられていた。
ところが数年前、CTスキャンをかけてようやく真実が明らかとなる。そのミイラはタカではなく、死産した人間の胎児であることがわかったのだ。
・長年鷹だと信じられた小さなミイラ
この小さなミイラは、1925年、英ケント州のメイドストン博物館に寄贈されたもので、古代エジプト、プトレマイオス朝時代のタカのミイラEA493として記録されていた。
ケースには鷹の頭部が金箔で施されていて、書かれている象形文字は、タカの頭を持つ古代エジプトの天空の神ホルスを示していた。
古代エジプトでは、ワニや猫、ハヤブサ、スカラベまで、動物をミイラにするのはごく一般的なことだった。だから、このミイラは特別に珍しいものというわけではなかった。
CTスキャンで調べるまでもなかったが、博物館は、2016年に人間のミイラをスキャンにかけていたので、ついでに動物のものも調べてみようと考えた。
その結果、このミイラが胸の前で腕を組んでいるのがわかり、鷹ではないということは明らかとなった。しかし解像度が悪かったため、詳細はよくわからず、博物館の専門家たちは、猿のミイラではないかと考えた。