天才テリー伊藤対談「佐藤蛾次郎」(2)山田洋次監督との初対面は大遅刻!? (2/2ページ)
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俺、ずっと見てんだ」「出る?」「うん」みたいなやり取りをしたら、次の週からレギュラーになった。
テリー テレビでは寅さん、死んじゃうんですよね。
佐藤 そう。最終回にハブ捕まえて儲けようって俺と奄美大島に行って、逆にハブにかまれて死んじゃう。
テリー あのラスト、けっこうショッキングでしたよね。
佐藤 みんな、そう思ったんじゃないのかな。それで終わるはずだったのに、局には「なんで寅を殺した!」ってジャンジャン電話がかかってきたから、「じゃあ1本だけ」ということで映画を撮ったの。山田監督からしてみると、あまり出来がよくなかったらしいんだけど、まあ、劇場に客が来るわ来るわ!
テリー 当時大ヒットしましたからね。
佐藤 それで松竹も「じゃあもう1作」となったら、またヒットして。結局、毎年の盆・正月の映画として、ずっと続くことになった。
テリー 最終的には全50作。蛾次郎さんもそんな中でどんどん人気者になっていくわけでしょう。
佐藤 そうですね。シリーズが始まったばかりの頃、渥美清さん、山田監督と3人で上映している映画館に行ってみたんですよ。スクリーンに僕が映ると観客が「蛾次郎!」って拍手してくれたりしてね、あれはうれしかったなァ。そんな経験、今までなかったから。
テリー しかし、おもしろいですね。最初は会いたくないと思っていた監督との出会いが、結局、蛾次郎さんの運命を大きく変えてしまったわけだから。
佐藤 そうだね(苦笑)、すばらしい監督に出会えたことに感謝しています。