天才テリー伊藤対談「佐藤蛾次郎」(2)山田洋次監督との初対面は大遅刻!? (1/2ページ)
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テリー伊藤
テリー 山田洋次監督との最初の出会いって、覚えていらっしゃいますか。
佐藤 もちろん。山田監督がなべおさみさん主演の映画「吹けば飛ぶよな男だが」68年)っていう映画を撮る時に、俺に会いに大阪の劇団事務所まで来てくれたんですよ。
テリー えーっ、山田監督みずからが?
佐藤 どこかの監督かプロデューサーから「大阪にちょっと変わった男がいて、おもしろいですよ」と言われて、気になったみたい。でも、こっちはまるで知らないから「俺は会いたくねぇや」って偉そうにしちゃってね、遊びで1時間ぐらい遅れて面接に行って。
テリー ええっ、ダメじゃないですか。
佐藤 普通はね。でも、俺を紹介したその人は「あの野郎はふざけた男で、1時間ぐらい平気で遅れてきますよ」と言ってくれてたから怒られなかった(笑)。で、大阪のチンピラみたいな役で出ることになった。
テリー やっぱり蛾次郎さんに魅力があったんでしょう。現場に出てみて、どうでしたか。
佐藤 「すばらしい」のひと言ですよ。普通なら「よーい、スタート!」で、ちょいちょいと撮って終わるんだけど、「違う、そうじゃない」と粘るんですよ。
テリー なるほど、それは厳しい。
佐藤 でも「どこが違うのか」は絶対に言わない。偉そうに言っちゃいけないけれど「あ、この監督は違うな」と思って一生懸命やったから気に入ってもらえたのかな。そのあと、テレビで寅さんをやったんですよ。
テリー テレビドラマ版「男はつらいよ」ですね。
佐藤 あれも山田監督が脚本を書いてたの。山田監督に「佐藤くん、見たことある?」って聞かれたから「あれ、おもしろいね。