「あんな奴とは思わなかった」・・・人の人を見る目はあてにならない? (2/4ページ)
――ツールを使わずに、面接などでヒューマン・コアを把握し、自社との相性を判断することはできないのですか?
須古:これまで何年も働いてきた社員の中から幹部候補を選ぶというのならまだしも、新卒採用ではまず無理でしょうね。もちろん科学は万能ではないのですが、それでも人間よりは精度が高いということは間違いなく言えます。
田路:面接では相手が嘘を言っているかどうかくらいは見抜けるかもしれませんが、限られた時間の中で、その人の内面の本質を見抜いて、どれほど自社で活躍できるのかを判定するのは至難の業でしょう。
特に中小企業で起こりがちなのですが、自分の人を見る目に自信を持っている経営者が、一方では「あいつがあんな奴だとは思わなかった」とよく言われています。人間が人間を見る目ってそんなものなんですよ。
――経営者が人を見る目に絶対的な自信を持っていると、なかなか人事や採用は変わらないかもしれませんね。
田路:何回も失敗しているのにね(笑)。小さな会社の場合、経営者は人の内面だけではなくて、その人に合った仕事の特性も見極めないといけません。両方見極められる人はあまりいないということでしょう。
須古:人は、自分と似たタイプの人を良しとする傾向もあるんです。だから社長が優秀だと感じた人を入れてみたら、同じタイプ同士でハレーションを起こしてしまってうまくいかないというケースはよくあります。「あいつは生意気だ」と(笑)。
――人事の現場で起きていることについても書かれていました。「学力と入社後の業績との間の相関・因果関係は低い」ということが明らかになっているのに、今また人を見極める方法として「学力系テスト」に回帰しているというのはおもしろい現象です。なぜこんなことになっているのでしょうか。
須古:先程お話ししたように、どんなに正確にヒューマン・コアを測定しても、会社側に「求める人材要件モデル」がなければ、単に「あの人はこういうパーソナリティの人」というのがわかるだけで終わってしまいます。このパターンがすごく多いんです。