古代マヤ文明の巨大都市が放棄された理由が判明か、飲み水が毒物に汚染されていた証拠が発見される(米研究) (3/5ページ)
「緑色に染まった臭い水など、誰も飲みたいとは思わなかったでしょう」
Jimmy Baum/Unsplash
・高レベルの水銀も検出される
毒性の源は、水中の微生物だけではなかった。堆積物の中に高いレベルの水銀が含まれていることがわかったのだ。
水銀は地下の岩盤や、降ってきた火山灰から貯水池の水に浸出することもある。こうした自然環境からの水銀汚染の原因以外を除くと、マヤの人びとが自ら汚染物質を持ち込んだ可能性もあることに気づいた。
「古代マヤの世界では、色は重要な要素でした。赤い漆喰を使って壁画や墓を彩ったのです。酸化鉄と合わせて、陰影を変えるようなことも行われていました」
マヤの場合、赤い塗料に使った成分のひとつは、赤い色をした鉱物、硫化水銀で、人体にとっては有毒だ。
硫化水銀の毒性については、マヤでもほかの古代世界でも知られていたようだ。直接、触れることに関しては気をつけたたかもしれないが、雨水が壁に塗られた色素を洗い流し、その毒物が少しずつ貯水池に入り込んで、長い間に人体に有害なレベルまで水を汚染していたとは、気がつかなかったのかもしれない。宮殿や神殿の貯水池のそばに住んでいたティカルの高官の健康が、まず損なわれたのだ。
「結果的に、ティカルの指導者家族は、水銀が混ざった食べ物を毎回食べることになったのです。