経営は主君にお任せ!年貢米だけを貰えた江戸時代のWin-Winシステム「蔵米知行」とは (3/3ページ)

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領主は年貢を土地から直接の収穫ではなく、主君の蔵から間接的に貰う……だから「蔵米」知行と言うのですが、何だかサラリーマンのような感覚ですね。

土地への愛着、人との絆が、人間に活力を与える

ちなみに、武士たちは原則として主君から与えられた屋敷に住むよう指定され、たとえ自分の領地であっても、許可なく訪ねる(居住区域内から出る)ことは出来なかったそうです。

「何だい、アンタ?」領主に対して向けられる冷たい視線(イメージ)。

(※もっとも、現地の領民は自分を領主だと意識していないでしょうから、仮に行ったところで、あまり有意義な思い出にはならなかったでしょう)

いわば武士たちは城下に監禁されたような状態であり、領地とのつながりを薄くしたことでお上に楯突く力をつけさせず、やがて武士の世が終わりを告げると、いともあっさりと経済基盤を奪われてしまったのでした。

もちろん、東北や九州など武士と土地が結びついていた例外もあり、こうした地域は中央政権に対して最後まで頑強に抵抗しています。

泰平の世を維持するために考案された「蔵米知行」制度は非常に合理的であった一方、武士たちのサラリーマン化を招いてしまいました。

これは人間にとって、土地とのつながりや人との絆が活力を与えることを、現代の私たちに教えてくれているようです。

※参考文献:
磯田道史『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』新潮新書、2018年3月 第58刷

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