江戸時代、天然痘によりわずか6歳で世を去った露姫が、父への遺書にしたためた「一生のお願い」 (3/4ページ)
母と侍女たちへの手紙
まてしはし なきよのなかの いとまこい むとせのゆめの なこりおしさに
おたへさま
つゆ
【意訳】
ちょっと待って下さい。お母様(側室・お妙の方)にお別れを告げたいの。夢のように短い六年間の名残を惜しませて下さいな……
お妙様へ
つゆ
これは冥途への「お迎え」に来た死神に対するメッセージで、「もうちょっとだけ待って」と名残を惜しむ情景が胸に迫ります。
本当は父親へ宛てたように、率直なメッセージを書きたかったのかも知れませんが、ちゃんと和歌に整える辺り、男親と女親とで心理的な距離差を何となく感じます。
たつ、ときへの遺書。「(つか)われし いくとしへてもわすれたもふな」の部分。
ゑんありて たつときわれに つかわれし いくとしへても わすれたもふな
たつ とき さま
六つ つゆ
【意訳】
縁あって私のお世話をしてくれたこと、私は忘れない。だから「たつ」も「とき」も、ずっと忘れないでいてね……
たつ様 とき様
6歳 つゆ
この「たつ」と「とき」は、きっと露姫付きの侍女として仕えてきたのでしょう。