はじめての現場が大規模案件のチームリーダー システム開発の緊張感満点の職業小説 (2/2ページ)

新刊JP

ただ、このテストフェーズが難航し、現場からは数多くの改善要望が集まっていた。中には「まったく使えない」という否定的な意見や、そもそもこれまで人の手でやっていた生産管理を自動化すること自体への感情的な反発もあった。

こうした現場からの意見をまとめあげ、システムの修正ポイントをチームのプログラマー陣に伝えるのが花の仕事。しかし、まだプロジェクトの全体像がつかめていない彼女が導き出した修正ポイントは、百戦錬磨のプログラマーたちにことごとく反論されてしまう。

■プロジェクトに潜入したスパイを探せ

チームメンバーからの信頼を得られず苦しむ花。さらに悪いことに、システムの本番データを誤って削除するという、大チョンボをやらかしてしまう。

そんな折、実際にシステムを導入する青葉山河製作所の仙台工場に行き、現地従業員にシステムの改善ポイントをヒアリングする任務が与えられる。失地回復のため、張り切る花だったが、その裏でプロジェクト全体を失敗に終わらせるための、ある陰謀が進行していた。

陰謀を企てる組織は、プロジェクトにかかわるメンバーの中にスパイを送り込み、プロジェクトの進捗状況や突き当たっている問題点を把握していた。花の奮闘により、少しずつ軌道に乗ったプロジェクトだったが、魔の手は着実に迫っていく……。

システム構築・企業への導入の現場の空気感や、納期が迫る緊張感が生々しく伝わってくるのは、この作品の5人の共著者陣が、ほかならぬこの仕事に従事する「現役技術者」だからだろう。そして、プロジェクトに潜入したスパイがどこに潜んでいるのか、物語の最後までまったくわからないサスペンスとしての仕掛けもいい。

「職業小説」「お仕事小説」としても、サスペンス小説としても、最後まで気が抜けない一冊だ。

(新刊JP編集部)

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