歌舞伎町ホテル清掃員の「ウィズコロナ」現場(2)客足激減でホテルから電話 (2/2ページ)
一方日本人男性スタッフは、使い捨てマスクを何日も使い古している20代男性もいたが、40代前半の筋肉が自慢のリーダー的なスタッフは、当初頑なにマスクを着けなかったが、この日は彼も着け、スタッフはこれでほぼ全員がマスクをしている状態になった。というのも、ホテル側がスタッフの健康管理を行うようになったのだ。出勤時にフロントの小部屋のドアを開けた際、客対応の係の女性に、「熱を測ってきて下さい。37℃ならば出勤をやめてください。マスクは着用して下さいね」と言われたのだ。
ただ、健康管理を徹底させるぐらいだから、このままなんとか営業を続けるのだろうとも思った。だが、結局その日はヒマな状態のまま、勤務終了。0時すぎ、ホテルを出て歓楽街を歩いたが、客引きは0人だ。乗った電車は貸し切り状態。大げさかもしれないが、世界が滅びた後に、生き残ってしまった人の気持ちがわかったような気がした。
4月11日夕方に携帯が鳴った。発信はホテルからだった。
「夏井さん、申し訳ないですけど明日12日を最後に自宅待機していただけますか。その間、他の仕事をしてくださっても構いません。都には休業補償を出してもらうように言っています。出勤できるようになったら電話をしますので」
「そうですか。承知しました」
実のところ、承知などしていなかったが、そう言うしかなかった。