「幸せになる道は一つではない」 水野敬也『夢をかなえるゾウ4』に至る5年間の変化 (4/5ページ)
水野:あのシーンは僕も大好きです。
――偉大な仕事をした人たちは「夢をかなえた」と思われているけど、実は「夢をかなえられなかった」。
水野:そうなんです。それに、彼らが夢をかなえられなかったことを、みんな忘れているんですよね。ウォルト・ディズニーもガンジーもみんな偉業を達成した人と見られているけれど、必ず志半ばでこの世を去っているんです。
――アインシュタインもエジソンも。
水野:ガネーシャが挙げる偉人たちって、ほとんどは産業革命以降の人たちなんですけど、実はその時代以降って一つの価値観しかないんです。夢をかなえようとして頑張る。
ただ、自分が自己啓発というジャンルの中でずっと本を書き続けてきて分かったことは、結局、光と闇は同居していて、夢をかなえれば全てが光に包まれるのではなく、闇がやはり存在するということなんです。それは多くの人にとっては魅力的ではない話かもしれないけれど、事実としてそうなっている。
じゃあ、何をしても闇が存在するのだから、何もせずに諦めるのか。そこは個人が選択できるのだと思います。『顔ニモマケズ』をはじめ、外見に悩む数多くの人にインタビューをしてきたのですが、印象的だったのが、美容整形をした人、していない人どちらもいるんですけど、ただ、もちろんそれは「美容整形をしたほうがいい」という答えにはならなくて、重要なことは自分自身でそれを選択したということ。その先に納得があるんじゃないかと思うんです。
それは一つの希望で、『夢をかなえるゾウ4』では実は偉人たちも夢をかなえられなかった。でも、それでも夢を追い求めるかどうか。読者の方にあなたが望むものは何かを考えてもらえる作品になっていると思います。
――『夢をかなえるゾウ4』の主人公は物語の中で「どうしようもないこと」と直面します。でも、どうしようもないと分かっていても、やり切ることは大事だと思います。