「幸せになる道は一つではない」 水野敬也『夢をかなえるゾウ4』に至る5年間の変化 (5/5ページ)
水野:向き合う姿勢というかね。実は『夢をかなえるゾウ4』で言っているメッセージは、僕が中学生時代に読んだ心理学の本に出てきていたんですよ。ただ、そのときは到底受け入れられなくて、『LOVE理論』で「妥協するな」と書いちゃうわけですけど、そうしたプロセスを経て、ようやく「偉人たちはみんな夢をかなえられなかった。志半ばだった」というガネーシャの言葉が出てきたのかなあと。
――『夢をかなえるゾウ』シリーズは累計400万部と日本の出版史に残るベストセラーです。それでも水野さんご自身は成功を得られていないという感覚なのでしょうか。
水野:まだまだだなという思いはあります。ただ、以前は『ハリー・ポッター』は億を超える部数だから、累計400万部の『夢をかなえるゾウ』はその何十分の一の価値、みたいな感覚を持っていた時期もありますが、今は一つの物差しで価値を測ること自体がナンセンスだと思っています。
『夢をかなえるゾウ3』を出した2015年以降は、自分は誰かを癒したり、救えたり、サポートできているのかということを気にしていますし、自分自身は今、現代社会によって惨めな気持ちを感じている人たちを救うために存在していると思っていて、そういう人たちにアプローチできていなければ、僕は成功していないという価値観になっているんですよね。個人的な感触としては、まだまだだなと。
(後編に続く)
■水野敬也さんプロフィール
愛知県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。著書に『夢をかなえるゾウ』シリーズ、『人生はニャンとかなる!』シリーズほか、『運命の恋をかなえるスタンダール』『顔ニモマケズ』『サラリーマン大喜利』『神様に一番近い動物』『たった一通の手紙が、人生を変える』『雨の日も、晴れ男』『四つ話のクローバー』『ウケる技術』など。また、鉄拳との共著『それでも僕は夢を見る』『あなたの物語』『もしも悩みがなかったら』、恋愛体育教師・水野愛也として『LOVE理論』『スパルタ婚活塾』、映像作品ではDVD『温厚な上司の怒らせ方』の企画・脚本、映画『イン・ザ・ヒーロー』の脚本を手掛けるなど活動は多岐にわたる。