サンマがまさかの1匹6000円!?「日本の食卓から消える魚」

日刊大衆

画像はイメージです
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 7月15日、北海道・釧路の市場で行われたサンマの初競りは大荒れとなった。「1キロ3万8000円という、“史上最高値”で取り引きされ、店頭では1匹6000円近い価格で販売されています。東京の豊洲市場では1キロ10万円、1匹あたり1万2500円で仲卸業者が仕入れたようです」(全国紙農水省担当記者)

 過去最悪の不漁だった昨年に引き続き、今年もサンマ漁は振るわず。「初競り用の水揚げは昨年の半分以下。これから旬を迎えますが、価格の暴騰は避けられそうもありません」(水産業関係者)

 塩焼きでおなじみの大衆魚だったサンマは、庶民はめったに口にできない“高級魚”になってしまったのか。豊洲の仲卸業者『樋徳商店』に話を聞いた。

「この数年、数が減っている上に小さくなっています。昔は、大きいものなら240グラムなんてのもあったけど、今は幻。大きくても160グラムというのが現実。なのに価格は上がっていて、“庶民の味覚”というイメージは変わりつつありますね」

 原因は何なのか。『水産研究・教育機構』の巣山哲氏は、こう分析する。

「エサや分布域といった海の中の環境が、サンマにとって良いものではなくなっている、というのが第一だと思います。加えて、2000年代に入ってから、中国などの漁獲量の増加が重なって、資源が回復できないのだと思います。これはサンマにとって初めての試練。親をきちんと確保していかないと、稚魚が生き残れないかも」

 これはサンマに限った話ではない。庶民のおつまみの代表格とも言えるスルメイカも、漁獲量がここ10年で5分の1以下に激減。価格も跳ね上がっている。

「代わりに、アカイカがよく獲られるようになりました。イカを買う側、仲卸や加工業者からも“苦しい”という声が聞こえてきます」(八戸の漁業関係者)

『水産研究・教育機構』の久保田洋氏は、こう話す。

「中国の大型の漁船が北朝鮮近海で操業していますが、漁獲量は不明。ここ4〜5年、かなり漁獲量が減っているのは、こうした人為的な原因もあるのでは。ただ、漁獲量の調整では制御できないくらい大きな環境の変化があるとも考えています。スルメイカの産卵場の水温が秋は高すぎ、冬は低すぎで、卵を親が生みにくい。生まれた子も生き残りにくい環境です」

 この続きは現在発売中の『週刊大衆』8月17日号で。

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