「有り金置いていって」河野防衛相“自衛隊オークション”は総裁選への布石!? (2/2ページ)
両方ともトランプの売り込みを呑んだ官邸主導案件とされています」(前出・ジャーナリスト)
陸上イージスは、北朝鮮から打ち上げられたミサイルを秋田県と山口県に配備したシステムで日本に着弾する前に迎撃、撃ち落とすシステムだ。だが不透明感は拭えなかった。通常なら米海軍が次世代ミサイル防衛システムで選定したレイセオン社製のレーダーが採用されるのが普通だが、陸自イージスではなぜか試作機さえできていないロッキード・マーチン社製が採用されることになっていた。何やら利権の臭いさえする。
また、短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bが42機導入されるのだが、これは「いずも型護衛艦」に搭載して「空母」にする計画だ。だが本来、ヘリコプター搭載護衛艦なので、空母に転用すれば護衛艦の配備計画は変更を余儀なくされる。
結局、陸上イージスに関しては、防衛省の資料の誤りや説明ミスから秋田では反発が強まり、代替案が模索されていたものが、配備計画自体が撤回されるというとんだ大チョンボに終わったものの、
「いずれもそんな計画を防衛省側が示すのは不自然。よって官邸主導の案件と見られています」(政治部記者)
陸自イージスの計画断念には、「週刊文春」に「コネクト不貞」をスッパ抜かれた和泉洋人・首相補佐官の防衛省へのグリップが利かなくなったとの指摘もある。だからオークションは、長期政権の弊害、強引な官邸主導の“愚策”が国民から総スカンを食らってもはや末期と言われる安倍政権が取らせた節約アピールとの見方もできるが、次期総裁選には河野大臣も乗り気だ。となれば、河野大臣の人気取りとも受け取れる。
(猫間滋)