自殺予防の為、水道水の中に気分安定剤「リチウム」を入れるべきだと科学者が提案(英研究) (2/5ページ)

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 その結果、リチウムの自殺予防効果をさらに検証する価値があると研究グループは考えているようだ。

 アルカリ金属元素のひとつであり、電池にも使用されているリチウムは、医療用気分安定剤として炭酸リチウム(リチウム塩)、クエン酸リチウムが躁状態および双極性障害の患者に処方されている。中枢神経に作用することで、本人ではどうにもならない気分の高まりを抑えることができる。

 そのようなものを飲料水に投入するなど抵抗があるだろうが、科学者がその必要性を訴えているのは、コロナ禍で人々のメンタルヘルスが悪化しているという事情がある。

 WHOによれば、世界では年に80万人が自ら命を絶っているという。15~29歳の世代では2番目の死因だ。残念なことに、コロナ禍による孤独と経済苦はこの傾向を助長しており、自殺者が増えているのである。

 「コロナ禍という未曾有の時代であり、心の病が増えている今、社会のメンタルヘルスを改善し、不安・うつ・自殺の発生を抑える手段は、これまでにも増して重要になっています」と、主執筆者のアンジュム・メモン教授は話す。

コロナによるメンタルヘルスの悪化
コロナによるメンタルヘルスの悪化 / Pixabay

・リチウムは普段から体内に摂取している

 リチウムはもともと土・海水・岩石に含まれており、それゆえに野菜・穀物・水にも含まれている。だから私たちは普段からそれを口にしているのだ。

 しかし、それが人間の気分に与える影響ははっきりしない。一説によると、神経細胞の成長に関係しているという。

 薬として利用されるようになったのは1949年以降のこと。
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