人間とアリが話す未来は遠くない…!? 「アリ先生」が語るアリ研究の最前線 (2/4ページ)
他の国は農業害虫としてアリが指定されていて、駆除の目的で研究されていますが、日本はそうではなく、何の役に立つのか分からないけれど(笑)アリを研究している人が多いです。
――日本人にとって、アリの存在は比較的親しみがありますよね。国民性を働きアリの勤勉さと重ねたりして。
村上:そうですよね。アリが苦手な人もいるかもしれないけれど、総じて親しみを持たれているように思います。他国では、アリの研究者は尊敬されるんですけど、アリ自体はあまり良いイメージを持たれていないんですよ。働き詰めのイメージがあるせいか、リスペクトされにくい虫ですね。
■なんとアリは「しゃべって」いた!――村上先生は主にハキリアリとヒアリの研究をされていらっしゃるんですね。
村上:主にその2種類ですね。ハキリアリとヒアリ。他にも(研究しているアリは)ありますが。
――やはりこの本を読んで驚いたのが、ハキリアリは音でコミュニケーションを取っているのではないかという話、いわば「しゃべっている」ということです。これは本当なんですか?
村上:そうなんです。もともと、アリが何かの反応に対して音を出すということは知っていたんですけど、単純に警戒している時に出す音とかそのくらいかなと思っていたら、2009年にエポックメイキング的な論文が『サイエンス』に掲載されて、もう少し複雑なコミュニケーションを音で取っていることが分かったんです。
そこからしばらくはアリの音声解析を行うデバイスの開発を開発しまして、いよいよハキリアリの音を録音してみたら、とんでもないことになっていたというわけです(笑)。
――ハキリアリの発する音を聞かせてもらいましたが、かなりのスピードで「ドルドルドル」と鳴いたり、「キュッキュッキュッ」と鳴いたり、バリエーションがありますね。
村上:はい。